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【社会】

<検証 IR汚職>(上)政治とカネ 総理への野心 奔走

地元の行事でもちつきをする秋元司容疑者=昨年12月8日の本人のフェイスブックから

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 カジノを含む統合型リゾート(IR)事業を巡る汚職事件で、衆院議員の秋元司容疑者(48)が十四日、東京地検特捜部に収賄容疑で再逮捕、起訴された。安倍政権が「成長戦略の柱」と位置づける重要施策に絡み、担当副大臣に何があったのか。事件の背景を検証する。

 今月七日、東京都江東区の富岡八幡宮であった新年行事に、同区を地盤とする秋元容疑者の姿はなかった。勾留中の容疑者に代わって出席した男性秘書は、終始うつむいていたという。街中にあったポスターは次々とはがされ、逮捕直後に離党した自民党内では後任探しが始まっている。

 「総理大臣になるにはな、運もないとだめなんだよ。おまえら、運気が下がるようなヘマはするなよ」

 小林興起衆院議員(当時)の秘書を経て二〇〇四年、三十二歳で参院議員となった秋元容疑者。早くから秘書らを前に「総理」への野心をにじませていた。

 秘書時代から「誰よりも汗を流していた」という秋元容疑者は、毎朝の街頭演説を欠かさず、日中は有権者宅を回った。声がかかれば、どんな会合や食事会にも顔を出した。

 一方で、主な支持層は小林氏から引き継いだパチンコ関係くらいで、周囲には「自分は支持団体が少ない」ともこぼしていた。再選を目指した一〇年の参院選は落選し、浪人生活を強いられる。古い知人が「付き合う相手の層が増えたようだ」と感じたのは、衆院にくら替えして当選した一二年ごろからだ。

 政治団体の収支報告書には、パーティー券の購入者などとして、ナイトクラブや飲食店、建設関連などの関係者がずらりと並ぶようになった。「事務所で一番の営業マン」(元秘書)として駆け回り、ここ五年の政治団体の収入額は年間一億〜二億円。衆院選三選につなげている。

 衆院内閣委員会の委員長として一六年十二月、「カジノ解禁法」と称されたIR整備推進法の成立に一役買うと、翌年早々、日本でのIR参入を目指す中国企業「500ドットコム」の顧問だった紺野昌彦容疑者(48)が接近してきた。

 タイを拠点に中国などアジア各国の経営者とビジネスをする傍ら、頻繁に永田町に現れる関西出身のブローカー。二十人ほどの国会議員の名刺を持ち歩き、周囲にトランプのように広げてみせては、「僕、人脈が豊富なんですわ。一緒にビジネスしません?」と持ち掛けていた。

 紺野容疑者は500コムにも営業をかけ、顧問契約を結んでいた。年俸は千五百万円。500コムの日本進出直後の一七年八月、最初に仕掛けたのが、秋元容疑者を招いた那覇市でのIRシンポジウムだった。

 基調講演した500コムの経営トップは、「沖縄でのIR整備に千五百億〜三千億円投資できる」と宣言。秋元容疑者は続いて登壇すると、約二百人の政財界関係者を前にリップサービスしてみせた。「米軍基地の跡地など、沖縄にはまとまった土地がたくさんある。IRに向いている」

 秋元容疑者はシンポの三日後、IR担当の内閣府副大臣に就任。500コム側が翌月に提供したとされるのが、再逮捕容疑となった二百万円だった。

 

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