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【社会】

<傍聴記>相模原殺傷公判 植松被告の志 どこへ

 相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら四十五人が殺傷された事件で、十五、十六日に横浜地裁で開かれた公判では、入所者の遺族や家族の供述調書が検察官によって読み上げられた。 (丸山耀平)

 「ラジオのチューニングが好きで、きれいな音が出ると本当にうれしそうな顔をしていた」「表情の変化や成長を見ることが家族の幸せだった」−。

 一人一人の調書からは、家族との思い出、性格、成長する様子が浮かぶ。事件で重傷を負った入所者の尾野一矢さん(46)の父親、剛志(たかし)さん(76)は、ついたてで遮られた関係者席で泣いたと明かした。公判を聞いていた記者も、胸がいっぱいになりながらメモを取った。

 植松聖(さとし)被告(29)はこの二日間の公判で、弁護人の後ろの席に座ったまま、正面を見つめて表情を変えることはなかった。「植松(被告)の体を重度の障害がある体にしたい」。犠牲者の男性=当時(66)=の姉の調書が読まれた直後、首をかしげるように左右に振るしぐさを見せたくらいだ。

 「採用された時の志はどこに行ってしまったのか」。十六日の公判で読み上げられた犠牲者の男性=当時(43)=の母親の言葉が胸に響いた。十五日の公判で、犠牲者の女性=当時(65)=の妹の「施設に勤めていたなら、入所者にいろんな個性があることを知っていたはず」との調書も読み上げられた。

 施設に勤め、被告は障害者に個性があると分かっていたはずではないか。独善的な犯行に及ぶまでに何があったのか。本人の口から詳しく聞きたい。

 

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