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【社会】

<阪神大震災25年>継ぐ 聞く 残す 被災者手記集 新巻を制作

「阪神大震災を記録しつづける会」の最新巻の準備を進める高森順子さん=名古屋市千種区で

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 阪神大震災は十七日で発生から二十五年。被災者の手記を発行してきた「阪神大震災を記録しつづける会」(神戸市東灘区)が今春、五年ぶりに最新巻を出す。事務局長で愛知淑徳大助教の高森順子さん(35)が過去に手記を寄せた遺族らにインタビューした。震災の記憶が風化する今、高森さんは「経験した人の肌感覚を皆で分け持ちたい」と語る。 (横井武昭)

 会は神戸で出版業を営んでいた高森さんの伯父一徳(かずのり)さんが震災直後に設立。手記を公募し、二〇〇五年までに計十巻を発行した。一徳さんは十巻完成間際に五十七歳で急逝。その後、東日本大震災の被災地で手記が読まれていることを高森さんが知り、後を継いで一五年に十一巻目を出した。

 だが、震災から四半世紀で被災者の高齢化が進み、亡くなる会員が増えた。毎年開く交流会でも、一五年に二十七人いた参加者は昨年六人。高森さんは「震災三十年は待てない」と危機感を覚え、十二巻目の記録集を出すことにした。

 最新巻は遺族や被災者六人の過去の手記を再掲。執筆の経緯や状況を高森さんが聞き取って載せた。インタビューで、幼い娘を亡くした女性は、避難先の親族宅で誰もいない時に一行一行泣きながらつづったと振り返った。娘への手紙の形で震災を書いた男性は「俺の一部やから何かあったら読み返して」と子どもに伝えたことを明かした。

 高森さんは「震災が教科書の中のものになりつつある。形に残すことで生きた記憶の聞き手や読み手を増やしたい」。三月に刊行予定で、税込み二千円。問い合わせは会のホームページへ。

阪神大震災発生時刻の12時間前にあたる16日午後5時46分、兵庫県宝塚市の武庫川の中州に石積みされた「生」の文字がライトアップされた

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