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【社会】

横田騒音訴訟 あす控訴審判決 オスプレイ被害、どう判断

東京都昭島市の上空を飛び、横田基地に向かうオスプレイ=横田・基地被害をなくす会提供

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 米軍横田基地(東京都福生市など)の周辺住民が米軍機などの夜間・早朝の飛行差し止めや騒音被害への賠償を求めた「第九次横田基地公害訴訟」の控訴審判決が二十三日、東京高裁である。二〇一八年十月に垂直離着陸輸送機オスプレイが正式配備され、控訴審では特有の低周波音による被害を新たに訴えに加えた。事故への不安とも向き合いながら暮らす原告らは「前進した判断を」と願う。 (竹谷直子)

 「あ、オスプレイだ」。今月中旬の午後八時半すぎ、横田基地の滑走路の延長線上、飛行ルートの真下にある昭島市美堀町。原告の一人、石川律子さん(61)は自宅の中で、オスプレイの音に気付いた。数分後、基地から南東方向に飛んでいく二機の機体が真上に見えた。「朝から夜まで飛んでいることもあります。怖いですね。家がゴゴゴゴと揺れる。決して慣れない」と話す。

 美堀町で生まれ育ち、飛行機の音には慣れているというが、オスプレイには驚いた。「最初は地震かと。地響きがする感じ」。自宅に防音工事を施しているが「オスプレイには防音は気休め」という。

 一審判決で東京地裁立川支部は、過去の騒音被害に対する賠償を国に命じたが、飛行差し止めや将来の被害に対する賠償は認めなかった。石川さんは「人ごとなのだと思う。一カ月でもいいので、この家に住んでみて」と訴える。

 オスプレイの騒音被害を調べている琉球大の渡嘉敷(とかしき)健准教授は昨年四月、横田基地北側の瑞穂町で二機の音を測定した。「沖縄の実測結果と同程度の数値が出ていた。低周波音を低減するための対策が取られていない」と指摘。「低周波音に防音工事は効果がない。心拍数が上がる、頭痛がするなどの健康被害が起こる可能性や不快感がある。国は周辺住民へのアンケートや実測を行い、まずは影響を調査しなければならない」と語る。

 原告団長の福本道夫さん(70)は「いつか事故があると思うと怖い」と話し、控訴審を前に「今までより一歩、二歩でも進んだ判決を出してほしい。被害が続く限り、この裁判は終わらない」と強調した。

<横田基地訴訟> 米軍横田基地(東京都)の周辺住民らが1976年から順次、国などに飛行の差し止めや騒音被害の補償を求めて起こした訴訟。「第9次横田基地公害訴訟」は2012年12月に基地周辺の6市1町の住民ら約140人が提訴。18年11月の一審判決は被害賠償の支払いは命じたが、夜間・早朝の飛行差し止めの訴えは退けた。横田基地を巡っては、別の住民ら約1000人も13年に同様の訴えを起こしている。

 

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