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【社会】

障害者施設「天職」 いつ、なぜ変貌 相模原殺傷公判 あすから被告人質問

 相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら45人が殺傷された事件で、殺人罪などに問われた元施設職員植松聖(さとし)被告(30)の裁判員裁判は、24日から横浜地裁で被告人質問が始まる。これまで7回の公判で知人らの証人尋問などがあり、被告の変貌ぶりや犯行に至るまでの言動が明らかになった。だが、障害者への差別がいつ、なぜ形作られたかは判然とせず、法廷で本人が何を語るか注目される。 (曽田晋太郎、杉戸祐子)

 知人らの法廷での証言や朗読された捜査段階の供述調書などによると、植松被告は大学時代に教師を目指していたが、卒業後は別の職に就き、二〇一二年十二月から同園で働き始めた。当初は友人らに「障害者はかわいい」「今の仕事は天職」と明るく話していた。

 ところが、二年半ほど過ぎた一五年六月ごろ、大麻仲間の友人に「意思疎通のとれない障害者は生きてる資格がない」と語った。突然の変貌ぶりに友人は「変なことを言うようになった。仕事で何かあったのか。一時的なものだろう」と気に留めなかった。その年の冬には多くの友人らも同様の発言を聞くようになり「やばい」「危険」と感じ、次第に被告を避けるようになった。

 ほかに友人らが聞いていたのは、当時は候補者だったトランプ米大統領のこと。「尊敬している。障害者を殺したら納得してくれる」などの称賛や自分への支持を確信する発言を繰り返した。

 世界の大事件などをモチーフにした「イルミナティ」と呼ばれるカードにも傾倒していた姿も明らかに。「おれが救世主と予言されている」と周囲に語る中、一六年二月に衆院議長公邸を訪れて犯行を予告する手紙を届けた。

 公判の争点は犯行時の責任能力の有無や程度。「特異な考えに基づく犯行」で完全責任能力があるとする検察側に対し、弁護側は大麻の乱用などにより心神喪失か心神耗弱だったとして無罪を主張する。

 被告が大学時代に危険ドラッグに手を染めた後、大麻を使うようになったことは、複数の友人が語っている。やまゆり園で働いていた一五年ごろには「平然と」大麻を吸うようになり、犯行前日は未明に友人と大麻を使い、夜に知人女性に「時が来た」と告げ、数時間後に凶行に及んだ。

 ただ、大麻の使用を始めた時期について、友人により説明が異なる。「大麻を使っているときも、使っていないときも変わらない印象だった」と話す友人もいて、犯行にどの程度、影響したかを巡る今後の審理も注目される。

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