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【社会】

憲法9条 英語でアプローチ 元英語教員ら解説本出版

共著を手に憲法や平和への思いを語り合う奈良勝行さん(左)、瀧口優教授=東京都小平市の白梅学園短期大学で

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 元英語教員ら二人が、憲法前文や九条の英訳などを交えながら、憲法の成り立ちや子どもたちの平和へのメッセージをまとめた共著「Let us think about Kyujo!−憲法9条について考えてみませんか!」(高文研)を出版した。安倍晋三首相が早期の改憲に意欲を示す中、「憲法をもう一度見つめ直そうと広く国民に呼び掛けたい」との思いからだ。

 手掛けたのは、都立高校の元英語教員の奈良勝行さん(77)、白梅学園短期大学(東京都小平市)の瀧口優教授(68)。いずれも全国の英語教員らで作る団体「新英語教育研究会」のメンバーだ。英語を学ぶ子どもだけではなく、大人にも読みやすいよう、日本語訳やイラストを多く使い、理解を助ける工夫をこらした。

 奈良さんは「東京五輪が華々しく宣伝される陰で、改憲が発議されるのではないか」と懸念。二十日に召集された通常国会前に出版しようと瀧口さんに協力を求め、二〇一九年八月に執筆を開始。わずか四カ月で出版にこぎ着けた。

 本では、戦争放棄や戦力不保持などを定める九条の条文を日本語と英語で紹介。「第9条案の変遷」の項では、戦争放棄について日本側の文案では「abolish(廃止)」となっていたのを、連合国軍総司令部(GHQ)が反対し「renounce(放棄)」に変えて、表現を強めた経緯を紹介した。瀧口さんは「平和や非暴力を広めるためにも、九条の内容をしっかり考えたい」と話す。

 さまざまな観点から平和について考えてもらう材料にと、軍隊を持たないと定めるコスタリカなどの憲法や国連憲章、国内外の子どもたちによる平和を願う英作文や絵画も取り上げている。パキスタン出身でノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんが米ニューヨークの国連本部で行ったスピーチなども収録した。

 A5判百四ページ、税抜き千四百円。 (北條香子)

 

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