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【社会】

<東京2020>高まる機運、輝く象徴 開幕まで半年

東京五輪の開幕まで半年となり、ライトアップされたお台場海浜公園内の水上に設置された五輪マークのモニュメント=24日午後9時23分、東京都港区で

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 東京五輪開幕まで半年となる二十四日夜、東京・お台場で記念セレモニーが行われた。

 東京湾に浮かぶ船に設置した巨大五輪マークを発光ダイオード(LED)で点灯。五輪色にライトアップしたレインボーブリッジを背景に花火が打ち上げられた。山下泰裕日本オリンピック委員会(JOC)会長は「国民の胸が熱くなる大会にするので、応援お願いしたい」と語った。

 選手は代表選考レースが真っ盛り。金メダル三十個の目標に向け、競泳男子の瀬戸大也選手(ANA)、卓球女子の伊藤美誠選手(スターツ)らが代表に決まった。スタジアムは新設八会場のうち七会場ができ、水泳の東京アクアティクスセンターも二月に完成する。

 観戦チケットは抽選で約四百四十八万枚を販売。春以降に再販売がある。ボランティアは八万人が研修を積む。運営面では暑さや交通の混雑など課題も多い。(市川千晴、原田遼)

◆モスクワ不参加原さん 幻の五輪代表、平和願いボランティア

モスクワ五輪代表に配られた銀色のメダル(手前)を前に当時を振り返る原秀章さん=横浜市内で

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 東京五輪を盛り上げる八万人の大会ボランティアは、今春の正式採用に向けて研修中だ。その一人、原秀章さん(63)=神奈川県藤沢市=は元水泳選手で、日本など西側諸国がボイコットした「幻のモスクワ五輪代表」。開催国だった旧ソ連のアフガニスタン侵攻にほんろうされた経験から「平和をアピールする大会に寄与できれば」と意気込む。 (原田遼)

 毎朝一時間の通勤中、スマートフォンのアプリを使い、英語のリスニングに励む。「どんな役割を任されても大丈夫なように」と、自主的に始めて一年。昨年秋、二十万人の応募者の中からボランティア候補八万人の一人に選ばれ、さらに意気が上がった。組織委員会が実施する共同研修では、障害者対応も学んだ。

 最近、自宅の押し入れから記念品を見つけた。百メートルバタフライ七位に入賞した一九七六年モントリオール大会での日本代表選手団ジャージー、各地の国際大会で交換したピンバッジ。

 その中に、長方形の銀のメダルがあった。表には日の丸、裏に「モスクワ一九八〇」と刻まれている。

 八〇年モスクワ五輪はソ連のアフガニスタン侵攻を巡り、日本は大会二カ月前にボイコットを決定。四角のメダルは日本代表となるはずだった各競技の選手に日本オリンピック委員会(JOC)が贈ったものだ。

 モントリオールの雪辱を誓い、当時は珍しかったウエートトレーニングに励むなどしてモスクワのメダルを視野に入れていた原さん。「ボイコットが決まってからのことはあまり覚えていない」

 そのシーズンで引退。指導者になる夢もあきらめ、所属先のホテルの営業マンとなった。形の違うメダルを見つめ、「もう私のような経験をする選手を出してはいけない」と切実に願う。

 米国、イラン、北朝鮮…。世界は今も国や民族がいがみあいを続ける。それでもスポーツの力を信じる。現役時代の国際試合、敵対していたイランとイラクの選手が、プールで仲良く談笑している光景があった。「東京では、全ての選手、観客が何も心配することなく、五輪を楽しんでほしい」。その手助けをするのが自分の役目だ。

 

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