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【社会】

中村哲さん お別れ会に5000人  「人道支援貫いた英雄」

 アフガニスタンで銃撃され、73歳で亡くなった非政府組織(NGO)「ペシャワール会」の医師中村哲(てつ)さんのお別れ会が25日、福岡市の西南学院大のチャペルで開かれた。友人や支援者ら約5000人が参列。中村さんが好きだったバラをささげ、信念を貫き人道支援を続けた「英雄」の死を悼んだ。

 遺族代表の長男健さん(36)は「私たち家族は父が望んだように、アフガンの多くに緑が広がり、人々が家族と共に穏やかで実りがある生活が送れることを願います」とあいさつ。父から「口で立派なことばかり言わんで行動で示せ」と言われた言葉が最も強く記憶に残っているとし、「私の人生において大切な叱咤(しった)激励の言葉です」と紹介した。

 中村さんは普段、家族を不安にさせる様子を見せなかったが、二〇〇一年にアフガンが空爆を受けた際「母の前だけで涙している姿があったと後から聞いた」と現地への思いの深さも明かした。

 アフガンへ遺体を迎えに行った長女秋子さん(39)も登壇し「驚くほど皆さんが悲しみ、父を愛していると実感した」と振り返った。中村さんの活動の重要性を痛感し「今まで携わってきませんでしたが、これからはお役に立てれば。父の弔いにもなる」と話した。

 祭壇の中央には中村さんの写真が飾られ、同行していて犠牲となったアフガン人運転手ら五人の遺影も並べられた。アフガンのバシール・モハバット駐日大使は中村さんの功績をたたえ「永遠に偉大な友人で、英雄です」としのんだ。

 中村さんは長くアフガンやパキスタンの国境付近で貧困層の医療支援に取り組み、アフガン東部では用水路などを建設して農地の復興や拡大を推進。昨年十二月四日、アフガン東部ナンガルハル州で作業現場に車で向かう途中に武装集団の襲撃を受け、命を落とした。

 

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