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【社会】

帰国12人入院、5人陰性 新型肺炎退避第1便 武漢から邦人206人

中国・武漢から帰国した邦人を乗せて国立国際医療研究センターに入るバス=29日午前11時45分、東京都新宿区で

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 中国湖北省武漢市を中心に新型コロナウイルスによる肺炎患者が拡大している問題で、現地滞在の邦人二百六人が二十九日、日本政府の全日空チャーター機で帰国した。退避第一便。厚生労働省や東京都によると、計十三人に発熱やせきなどの症状があり、十二人が入院。うち五人は新型コロナウイルスの検査で陰性と判明した。

 厚労省によると、日本人初の感染例となった奈良県の男性が運転するバスに同乗していた、大阪市のガイドの四十代女性も感染が確認された。外国人で武漢の滞在歴はない。国内の感染確認は八例目。

 日本政府は安倍晋三首相を本部長とする対策本部の設置を三十日に閣議決定する。政府が感染症のまん延を受けチャーター機を派遣したのは初めて。チャーター機で退避を予定する邦人は残り約四百四十人で、第二便は二十九日夜出発した。

 第三便は三十日に派遣する方向で、全員帰国できるよう二機の派遣を検討している。

 二百六人は全員が日本国籍で、男性百八十五人、女性二十一人。十二歳以下の子どもも四人いる。武漢の日本商工会役員の男性二人が羽田空港内で取材に応じ「帰国できて、ほっとしている」などと語った。二百六人のうち、同意を得られなかった二人を除き、症状のない人も全員ウイルス検査し、陰性の場合でも二週間は外出を極力控えるよう強く求める。

 入院した十二人と帰宅した三人を除き、千葉県内のホテルに滞在した。ホテル代は、政府が負担する方針。

 厚生労働省は二十九日、帰国した邦人を含め、武漢周辺に滞在歴がある中国からの入国者らの症状を一元的に把握する「健康フォローアップセンター」を設置した。発症者を早期に医療機関につなげ、感染拡大を防ぐ。

 菅義偉官房長官は二十九日の記者会見で、武漢で入院中の六十代の日本人男性について、新型コロナウイルス陽性の疑いが強いと病院側から連絡を受けたことを明らかにした。

武漢に向かうチャーター機の第2便に乗り込む関係者=29日夜、羽田空港で

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◆中国感染6000人超 死者は133人に

 【上海=白山泉】新型コロナウイルスによる肺炎で、中国の国営メディアは二十九日、感染者数が六千七十八人になったと伝えた。死者は百三十三人。中国本土以外で感染者は十八カ国・地域で九十八人で、中東で初めてアラブ首長国連邦(UAE)で感染が確認された。

 感染者数は国内外でさらに増え続けており、二〇〇二〜〇三年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の全世界の感染者数を超える勢いだ。中国本土で報告されたSARSの症例数は五千三百二十七人。世界全体では八千人以上が感染した。

 中国疾病予防制御センターの曽光(そこう)氏は中国国営メディアの取材に「SARSの感染を拡大した『スーパースプレッダー(強い感染力を持つ患者)』は新型肺炎では現れていない。病状もSARSに比べて軽い」と強調した。ただ、新型肺炎は潜伏期間や自覚症状がない感染者からもウイルスが広がる危険性があるとされる。

 政府によると、チベット自治区で新たに感染が疑われる人が一人確認された。確定すれば、中国本土三十一省・自治区・直轄市すべてで感染者が出たことになる。

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