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【社会】

新型肺炎 致死率、武漢だけ突出 中国、湖北省除けば0.17% インフルの倍程度

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 中国国家衛生健康委員会は6日、新型コロナウイルスによる肺炎の感染者が2万8018人、死者が563人に上ったと発表した。特に流行が始まった湖北省武漢市では多くの死者が出て、世界中に不安が広がっている。だが、感染が拡大しても、他地域ではそれほど死者が出ていない。この感染症の危険度をどうとらえたらよいのか。 (永井理、三輪喜人)

 中国政府発表の数字などから計算すると武漢市での致死率は約4・1%。重症急性呼吸器症候群(SARS)の9・6%、中東呼吸器症候群(MERS)の35%より低いものの、かなり危険だ。だが、武漢市のある湖北省以外の省では、千人近い感染者が出ながら死者ゼロのところもある。

 感染症に詳しい岡山大の津田敏秀教授(環境疫学)は「武漢の致死率が高い一番の要因は、多くいる軽症者が把握されていないからだ」と指摘する。

 武漢市の感染者は約一万人で中国全体の三分の一を占める。「患者が多すぎて医療施設が足りず、重症の肺炎患者が優先して検査を受けて病院に入る。このため軽症者が診てもらえず把握されない。一方、病院にいる人は重症だから亡くなる率も上がる」と津田教授は分析する。軽症患者の実態が把握されれば致死率は下がるとみる。

 武漢市のある湖北省以外の中国全体では、致死率は約0・17%と低い。医療施設が限界を超えた状況ではないからだと考えられる。「湖北省を除いた致死率のほうが、新型肺炎の実態に近いのではないか」と津田教授はみる。

 厚生労働省によると、日本国内のインフルエンザ感染者数(推定)は、年間一千万人規模。感染がもとで死亡する人は約一万人とされ、致死率は0・1%程度となる。中国の発表が正しければ、武漢を除く中国の致死率は日本国内のインフルエンザの二倍程度ということになる。

 一方、新型ウイルスの感染力はかなり強そうだ。日本でも今後さらに感染が広がり、「ピークは四月ごろになる可能性がある」という研究者もいる。

 中国の研究グループが先月、米医学誌に発表した論文によると、新型ウイルスの感染者一人には二・二人にうつす力があるとわかった。感染力が一人より大きいと、感染が広がる可能性がある。SARSはこの数字が二〜四人で、終息に八カ月かかった。

 北海道大の西浦博教授は論文で、条件によって二・二人か三・七人になるとの試算をまとめた。毎年、世界的に流行するインフルエンザと同程度。新型コロナウイルスが「パンデミック(世界的大流行)を起こす潜在力がある」とする。

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