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【社会】

辺野古軟弱地盤 防衛省「強度試験やってない」 国会や取材に虚偽説明

辺野古の埋め立て予定海域で、海面から70メートルより深い地盤でも49以下と、2番目に軟らかい地盤であることを示したデータ

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 政府が「ない」としていたデータが存在していた。埋め立て予定海域の海底に広大な軟弱地盤を抱える沖縄・辺野古の米軍新基地建設工事で、防衛省が想定する地盤強度を大幅に下回るデータが明らかになった。これまで防衛省は本紙の取材や国会で、最深部の軟弱地盤について「強度試験はやっていない」と虚偽の説明を繰り返し、不都合なデータを伏せてきた。 (中沢誠)

 「最初から地盤の強度試験はやっていない。海底の地中から採取した試料は土の性状を見るためのもの」

 軟弱地盤が海面から深さ九十メートルに達する埋め立て予定海域の「B27」地点。防衛省の担当者は昨年十月、本紙の取材に、海底の土の採取は認めながら、試験はしていないと断言した。

 埋め立て予定海域にはマヨネーズ状といわれる軟弱地盤が広がり、埋め立てると地盤沈下の恐れがあるため、防衛省は七万本以上の砂などの杭(くい)を海底に打ち込み、地盤を固める工事を検討している。

 ただ、海面下九十メートルの深さでの地盤改良工事は世界でも例がない。それでも防衛省はこれまで「七十メートルまで改良すれば、(基地の)施工は可能」としてきた。根拠としたのは、七十メートルより深い地盤は同じ粘土層でも「非常に固い」とする地盤データだ。しかし、このデータは「B27」地点の実測値ではなく、別地点のデータからの類推だった。

 防衛省が地盤改良の検討報告書を公表した昨年三月以降、国会では野党が「B27地点で地盤の強度試験もせずに大丈夫だと判断したのは、極めて不自然」などと追及した。

 これに対し、当時の岩屋毅防衛相らは「B27地点そのものは(強度試験を)やっていない」。B27地点のデータの存在に言及したことは一度もなかった。

 防衛省整備計画局は、これまでの国会答弁や取材への回答について「正確な説明ではなかったかもしれないが、うそをついたつもりはない」と抗弁する。B27地点の強度データは「業者の独断で行った使えないデータだった」と強調した。

 だが、国から地質調査を請け負ったことがある建設コンサルタントは証言する。「どんな試験をするか、事前に発注者の許可を取る。指示のない試験を受注業者が勝手に行うことは、指名停止につながる恐れもあり、常識ではあり得ない」

◆防衛省対応理解できぬ

<地盤工学に詳しい日本大学の鎌尾彰司准教授の話> 今回明らかになった強度試験は、簡易的な試験。ただ、建設できないリスクをはらんだデータである以上、検討すらしないという防衛省の対応は理解に苦しむ。巨額の税金を使うだけに、あらゆるリスクを想定し、より綿密に地盤調査をすることが望ましい。 

 

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