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【社会】

【この人】義手でバイオリンを弾く看護師 伊藤真波(いとう・まなみ)さん(35)

義手でバイオリンを弾く看護師、伊藤真波さん=東京都港区で

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 バイオリンを奏でる「右手」は、専用の義手。背中を伝うワイヤを肩甲骨で引っ張ったり緩めたりして弓を動かす。子どものころの習い事を再開して10年余り。「もっと強弱をつけ、感情を弦に伝えたい」と試行錯誤を続ける。

 静岡市出身。看護学生の時、交通事故で右腕を失った。当初は人の腕に似せた装飾義手を着けていたが「偽っている自分が窮屈で仕方がなかった」。

 隠すのをやめて新しい環境に飛び込もうと、地元を離れ神戸市の病院に就職。注射器を持てる義手を作ってもらい、看護師として働いた。一方で競泳に打ち込み、北京、ロンドンとパラリンピック2大会に出場した。

 バイオリンの義手を作るのに多くの人が協力してくれた。演奏の腕前は「まだ聞かせられる音色じゃない」と話すが、弾く姿を見せることが「恩返しになる」。

 今は子育てをしながら全国の学校などで講演する。「やりたいことがあったら、一人で何とかしようとせずに、やってみたいと言ってごらん。味方は絶対にいるから」。障害の有無にかかわらず、子どもたちに伝えたい言葉だ。(神谷円香)

(2020年2月11日朝刊に掲載)

 

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