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【社会】

新型肺炎 水際対策に限界 重症対応態勢を

 新型コロナウイルスに感染した神奈川県の女性が死亡し、東京都ではタクシー運転手の男性の感染が明らかになったが、いずれも感染源は特定できていない。専門家は水際対策の限界を指摘し、先を見越した対策が必要だとする。

 国際医療福祉大の高橋和郎教授(臨床検査医学)は「詳しく分からないが、女性は入院時期からして早い時期に感染者と接したのでは。一月下旬にどこに行ってどうしていたか。武漢が閉鎖される前に日本に来た人も多い。その人たちがどういう状況かということも気になる」と話す。武漢から来た人たちから感染が広がっていれば、そろそろ分かることだと注目する。

 中国政府の発表などによると、新型肺炎の致死率は武漢では3%以上と高いものの、武漢のある湖北省を除いた中国全土では0・5%程度になっている。高橋さんは「今後は、こういう感染ルートのはっきりしない例が出てくるのでは。(国内に入ってきていることを前提に)肺炎になった人を早く見つけて、重症患者に対応できる態勢に移行する時期かもしれない」と話す。

 東北大の押谷仁教授(ウイルス学)は「一定数の感染者がいれば死亡例が出るのは予想されたこと。詳しい経過は分からないが、高齢者であれば重症化しなくても死亡することはある」と冷静に受け止めた。一方、死亡した女性は国内で感染した可能性があり、「(感染源との)リンクがよく分からないため、調査には時間がかかるだろう。その間に感染が広がっていくことも考えられる」と懸念した。

 クルーズ船の感染者を受け入れる病院探しでは、国の方針が急変して地方自治体の混乱を招いた。インフルエンザが流行するように感染が広がっている状況ではないが、死者を増やさないためにも感染者や重症患者が増えた場合に備え、先を見越した対策を立てることが必要だ。 (永井理)

 

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