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【社会】

<取材ファイル>通信サポート校 支援置き去り 私立高無償化 都が高収入世帯拡充へ

勉強したり、スタッフとおしゃべりしたり、思い思いの時間を過ごすサポート校の生徒ら=東京都千代田区で

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 東京都は新年度から、私立全日制高校の授業料実質無償化を、国の制度に上乗せする形で年収九百十万円未満の高収入世帯まで拡大する方針だ。一方で、学校になじめず、通信制高校に進学する生徒に学習の支援をする「サポート校」と呼ばれる民間の教育機関に対しては、行政の補助はなく、生徒が費用負担に苦しむケースもある。優先順位が違うのではないか。 (石原真樹)

 文部科学省の有識者会議の二〇一七年のまとめによると、全日制に比べて通信制の生徒は、不登校経験者や、発達障害などで特別な支援が必要な割合が高い。サポート校は、通信制高校と連携してこうした生徒をきめ細かに支える。提出するリポートの指導をはじめ、学習の遅れや生活面の面倒をみることもある。学校から遠ざかっていた子の「伴走者的な存在」といえる。

 東京都千代田区のサポート校を訪ねた。「ここでは自分で決めたことを勉強できる」。都外の通信制に籍を置きつつ、NPO法人高卒支援会の運営するサポート校に通う女子生徒(15)は充実した表情で話した。

 中学時代に学校を休みがちになり、高校入学直後に退学。今は週五日、サポート校で勉強し、大学進学を目指す。心配なのは金銭面。アルバイト代でサポート校の費用を賄っており「受験勉強で忙しくなるとアルバイトができなくなる」と漏らす。

 通信制に詳しい出版社「学びリンク」によると、サポート校の平均授業料は年間五十万円で、私立全日制の授業料より高額な場合も。高卒支援会のサポート校も年間五十万〜七十万円で、杉浦孝宣代表(59)は「寄り添って支援するにはスタッフの人件費が必要」。低収入世帯の子には、同会への寄付から奨学金を出すなどしている。

 有識者会議のまとめは、通信は経済的な困難を抱える生徒の割合が「相当程度高い」としている。にもかかわらず、東京都は高収入層への私立高授業料補助を行おうとしている。小池百合子都知事の「家庭の経済状況などにかかわらず(学ぶ)希望をかなえられることが、人を育てていく東京の象徴になる」との意見は評価できるが、補助を本当に必要としている生徒たちへの救いとはならない。高収入層向け授業料補助の財源は五十二億円。一部でもサポート校に振り分けることを検討してほしい。

<サポート校> 通信制高校と連携し、学習面や生活面を支援する民間の教育機関。少人数制で、体調などに合わせて通学日数や時間を決められる。学校教育法の定める学校ではなく、フリースクールや塾などと同じ扱い。文部科学省によると全国に1234校(2016年5月時点)あるが、在籍者数は把握していない。学びリンクによると、私立通信制高校の都内の生徒は約1万3000人(17年)おり、相当数がサポート校を利用しているとみられる。

 

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