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【社会】

相模原殺傷 死刑求刑 検察「反人道的 完全責任能力」

植松聖被告=フェイスブックから

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 相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら四十五人が殺傷された事件で、殺人罪などに問われた元施設職員植松聖(さとし)被告(30)の裁判員裁判の論告求刑公判が十七日、横浜地裁(青沼潔裁判長)で開かれた。検察側は「十九人の尊い命が奪われ、単独犯の殺人では類を見ない。障害者を一人の人間として扱い、権利を尊重する社会の価値観と相いれない反人道的で反社会的な動機で酌量の余地はない」として、死刑を求刑した。

 争点の責任能力について検察側は論告で「意思疎通の取れない障害者を殺すという考えは、病的な妄想ではなく、単なる特異な考えだ」と指摘。犯行は計画的で違法性も認識しており、犯行への大麻使用の影響は小さかったとし「犯行時、完全責任能力を有していたことが認められる」と結論付けた。

 黒のスーツ姿で被告人席に座った植松被告は、検察官の方を見つめながら論告を聞いていた。

 死刑を求刑された瞬間は無表情だったが、直後に口元を少し緩めて左手で首を触るしぐさを見せた。裁判長が休廷を告げると、立ち上がって検察側に向かって一礼した。

 論告に先立ち、殺害された十九人で唯一、名前で審理されている美帆さん=当時(19)=の母親が意見陳述し「あなたが憎くて、憎くてたまらない。私はあなたに極刑を望みます」と、ついたての内側から訴えた。

 美帆さんについて「言葉はありませんが、笑顔がすてきで周りを癒やしてくれました。ひまわりのような笑顔でした。美帆は毎日を一生懸命生きていました」と話した。「私の娘はいないのに、こんなひどいことをした人がなぜ生きているか分かりません。極刑でも軽いと思う。どんな刑が与えられても私はあなたを絶対に許さない」と厳しい口調で述べた。

 これまでの公判で弁護側は、被告は大麻の影響などにより心神喪失か心神耗弱だったとして無罪を主張。ただ、植松被告は「自分は責任能力がある。責任能力がなければ即死刑にすべきだ」と述べている。

 十九日に弁護側が最終弁論を行い結審し、判決は三月十六日の予定。 (曽田晋太郎)

 

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