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【社会】

NOレジ袋で100円分ポイント 都の破格還元 奮発しすぎ?

73円のお菓子を買ってレジ袋を辞退し、100円分のポイントを獲得した=東京都千代田区で

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 環境問題への意識を高めようと、プラスチックごみ削減などに貢献した人に東京都が独自のポイントを付与する「東京ユアコイン」の実証実験が二月末まで、東京駅周辺などで行われている。国連の持続可能な開発目標(SDGs)推進の一環だが、レジ袋辞退だけで百円分のポイントがもらえるなど「大盤振る舞い」に、都民からは税金の使い道に疑問の声も上がる。 (石原真樹)

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 「ポイントの受け取りが完了しました」。記者のスマホの画面に表示が出た。一月のある日、実験エリアの大手町のドラッグストアで買い物をしてみた。

 七十三円の菓子を購入。「レジ袋はいりません」と伝えて代金を電子マネーで支払い、専用のアプリでQRコードを読み取ると百ポイント獲得した。登録店に行けば一ポイント=一円換算で買い物に使え、大手コンビニチェーンなどのポイントとも交換可能。事実上、菓子代は「ただ」のうえに二十七円をもらったことになる。

 キャッシュレス化の推進の狙いもある実証実験は一月から、主に大手町、丸の内、有楽町(大丸有)地区と東急自由が丘駅周辺地区で始まった。レジ袋辞退やマイボトル利用、時差出勤、テレワークなどの活動でポイントがもらえ、利用者が店などで使った獲得ポイント分は都の予算でまかなわれる。実験の事業費は一億円で、五千万円がポイント分に充てられる。

 記者は大手町から東京駅に向かう途中、丸ビルのスターバックスでマイボトルにカフェラテ(三百四十五円)を入れてもらい百ポイント獲得。総菜店で購入したリサイクル容器入りの弁当(七百二十円)は、後日容器を返却すれば四百ポイントが追加される。

 二種類以上の活動を行うと特典で千ポイント、アプリのダウンロード特典でも千ポイントがもらえ、記者はこの日、千百三十八円の買い物で、計二千六百円分のポイントを得た計算だ。ダウンロード特典などは一回きりで、レジ袋辞退などのポイントも一日一回だが、それでも相当の待遇だ。

 ドラッグストアでペットボトル飲料を購入した会社員の男性(37)は実験について知らず、レジ袋辞退で百ポイントに「そんなに!」と驚いた様子。「やり過ぎな気もする。レジ袋なら十円でもいい。税金を払う身としては、正しいことに税金を使ってほしい」と話した。 

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◆環境団体ら賛否 「消費行動の変化促す」「持続可能といえない」

 今回の取り組みを、国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは「消費者の行動変化を促すきっかけをつくる効果には大いに期待したい」と評価する。

 一方、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんに共感し活動する若者の団体「未来のための金曜日(FFF)東京」メンバーの大学三年、高橋英江(はなえ)さん(21)は「ポイントが高すぎるこのやり方では、持続的な取り組みといえない」と指摘。「自然エネルギーで渋谷を灯(とも)すなど、都には大きな影響を与えることに取り組んでほしい」と注文する。

 都の担当者は「SDGs活動をやってみようと思わせる価格に設定した」と説明。小池百合子知事は今後の展開について「まずは実験の中身、結果をまとめてから描いていきたい」としている。

 

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