東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 2月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

男性首相補佐官と女性厚労官僚が海外出張で泊まった「コネクティングルーム」ってなに?

 和泉洋人首相補佐官と厚生労働省の大坪寛子官房審議官が、海外出張で互いの部屋を行き来できる「コネクティングルーム」に宿泊した問題。野党は「税金を使った公私混同」と批判しており、十九日には安倍晋三首相が国民に疑念を持たれない行動をするよう和泉氏を注意したことが明らかになった。通常、このタイプの部屋はどういう人がどんな目的で利用するのだろうか。(石井紀代美)

未来投資会議に出席した和泉洋人首相補佐官=7日午後、首相官邸

写真

衆院予算委で答弁する内閣官房健康・医療戦略室の大坪寛子次長=7日午後

写真

 コネクティングルームについては、「週刊文春」が二〇一八年のインド出張で使用されたと報道。大坪氏は七日の衆院予算委員会で、「和泉氏が出張前に体調を崩し、万全を期すため、医師免許を持つ人間として同行した」と述べた。

 その後の同委員会で、外務省の担当者が、ミャンマー、中国、フィリピンの出張も含めコネクティングルームの利用は四回あり、部屋割りは補佐官室の指示で行われていたと答弁。十九日には、菅義偉官房長官が首相の注意を明らかにしたうえで、「公私は分けていると聞いている」との認識を示した。

◆廊下に出ず隣室と自由に行き来

 そもそもコネクティングルームとは、どんな部屋なのか。旅行会社で勤務した経験がある旅行ジャーナリストの大川原明氏は、同タイプの部屋に宿泊したことがあるという。

 「部屋同士を接続するドアを開けっ放しにしておくと部屋が広く感じるし、自由に行き来できる。いったん廊下に出て、相手の部屋をノックし、ドアが開くのを待つ煩わしさがないのが最大の特徴だ」

 中でつながってはいるが、部屋番号は別々で、予約上も別の部屋になる。宿泊料は、通常の二部屋分と変わらない。「いわゆる途上国でも、高級ホテルは大抵ある。国内のビジネスホテルでは見られないが、シティーホテルなどでは珍しくない」

◆家族連れや友人グループに人気

 どんな人が使うのか。同タイプの部屋を複数用意する国内高級ホテルの広報担当者によると、よく利用するのは二世帯、三世帯の家族連れや友人同士という。

 「純粋に仲の良い男女混合の友人グループにも好まれる。夜はお酒を飲んだりして、寝るときに別々の部屋に分かれたりするのではないか。でも、普段は接続ドアに鍵をかけ、普通の部屋として使うことの方が多い」

◆元外務官僚「意識して押さえることはない」

 人間関係は近いが、一つの部屋には収まりきらない団体にニーズがあるようだ。では、セキュリティーや情報管理を重視する政治家や官僚が利用することはあるのだろうか。

 元外務官僚の孫崎享氏は在外日本大使館での勤務時代を振り返り、「政治家らが海外出張する際は現地の大使館が宿泊先を手配するが、不審者がいればすぐ分かるように大抵ワンフロアごと部屋を押さえる。その中にたまたまコネクティングルームとして使える部屋が入っていることはあるが、意識して押さえることはしないですよ」と語る。

◆「体調不安」でも普通のドアから入ればいい

 首相などの要人の宿泊で、警備のSPがいつでも駆けつけられるように使われる可能性については、「首相もプライバシーを守りたいから、嫌がられる」と否定。誰にも目撃される心配がないため、極秘の打ち合わせにも使えそうだが、「そんな機微情報のやりとりは、盗聴などの心配がない大使館内の部屋で行う」と話す。

 孫崎氏は「体調の不安を理由に活用したという事例は経験もないし聞いたこともない。だって、普通のドアから入ればいいのですから」と指摘した。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報