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【社会】

<福島2020>(5)請戸小学校@浪江町 朝日映えるシンボル

津波で被災した当時の姿のまま残る請戸小旧校舎=福島県浪江町で(ドローンから)

写真

 「浜のにおいだ。ああ、このあたりにわが家があったんだ」

 津波に街ごと流され、わずかに小学校の校舎が残る福島県浪江町請戸(うけど)地区。長年、校舎の近くで暮らした川口登さん(70)は、離れがたい古里に向けて今も車を走らせる。

 請戸地区から車で五分ほど、津波で流された写真などを保管する町の「思い出の品展示場」が川口さんの職場だ。今は同県相馬市から通う日々。災害危険区域に指定されたわが家には、もう住むことはできない。

 住民にとって小学校は地元のシンボルだった。大津波にも耐えた校舎は、県内初の震災遺構として保存が決まっている。「運動会に町民大会。学校を見れば古里を思い出す人もいるだろう。東京五輪の聖火リレーでもその姿が映れば…」

 県は「聖火リレーを通じて被災地の『光と影』の両方を発信する」とうたっていた。実際に浪江町からルートに選ばれたのは、福島水素エネルギー研究フィールドが入る新産業団地だけ。ここで作られた水素は聖火をともす燃料となる。「光」の象徴となるが、「影」への思いは伝わってこない。 (文・岩本旭人、写真・潟沼義樹) 

 

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