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【社会】

新型肺炎 検査態勢改善求める声 都担当課「できる数が少ない」窓口の保健所「都、判断厳しい」

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 新型コロナウイルスの市中感染が疑われる感染者が相次ぐ中、発熱や肺炎の症状があるのにウイルス検査を受けられないとして、医療関係者や患者らから改善を求める声が上がっている。検査を実施する都道府県の検査態勢を検証した。 (土門哲雄、望月衣塑子、ソウル・中村彰宏)

 「肺炎で抗生物質が効かない患者のウイルス検査を断られた」。東京都内の開業医は首をひねる。患者に新型コロナウイルス感染の疑いがあり、保健所に相談したが、回答は「まず入院を」だった。ほかに検査する人が多く、手いっぱいだと説明された。同様に医師が必要だと判断したのに保健所が応じないケースが相次ぎ、二十六日には日本医師会が全国調査に乗り出す方針を表明した。

 厚労省の事務連絡は、医師が総合的に判断して感染の疑いがある場合などは、ウイルスを高精度で検出するPCR検査の実施を保健所に相談する。東京都内の場合、保健所は都感染症対策課と協議するなどして検査が決まれば、病院で採取した検体を都健康安全研究センターで検査する。

 医師らが検査を要望しているのに保健所に断られるケースが相次いでいる現状について、都感染症対策課は「保健所には『陽性の場合の受け入れ病床が確保できるか確認し、それができれば受けてください』と答えている。症状が重いのに断ることはないと思うが、そもそも検査できる数が少なく、保健所も検査したくてもできないのではないか」と話す。

 一方、東京二十三区のある保健所の担当者は「都の方がより厳密に重症者という基準で対象を選び、検査能力も考慮している。検査を希望する医療関係者の声は多く、現場としてはもっと検査に回してほしいものがたくさんある」と明かす。また都感染症対策課との協議で返答まで丸一日かかったこともあったといい、「検査が滞留するボトルネックがいくつもある印象。処理が滞っているのではないか」と話す。

 これに対し、都感染症対策課の担当者は「当初は滞ったこともあったが、今はスムーズに流れている。検査数をもっと増やしたいと思っても、現状はマンパワーの限界もあり厳しい」と理解を求める。都は今後、一日百二十件の検査能力を二百四十件に倍増させる。二十八日からはようやく民間検査機関への一日百件の委託も可能になる。

 これまで国内で民間委託が滞ってきたことに、NPO法人「医療ガバナンス研究所」の上昌広理事長は「国立感染症研究所や都道府県だけでは処理できない。患者や臨床医が望む検査は、できるだけ早くやるべきだ」と批判している。

<新型コロナウイルスの検査> ウイルス検査の能力について、政府は1日最大約3800件と説明しているが、加藤勝信厚生労働相の26日の国会答弁で、2月18〜24日に約6300件、一日当たり約900件と、想定の4分の1にとどまることが判明した。一方、韓国では検査時間の短い「リアルタイムPCR法」を導入し、民間の医療機関でも検査できるよう態勢を拡充。現在は1日約1万件の検査が可能で、26日までに約5万2000件の検査を実施した。

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