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【社会】

水俣病訴訟 胎児・幼少期被害を認めず 福岡高裁 8人全員、国基準踏襲

 胎児期や幼少期のメチル水銀被害を訴える「水俣病被害者互助会」の未認定患者八人が、国と熊本県、原因企業チッソに計約三億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁は十三日、三人を患者と認めた一審熊本地裁判決を取り消し、全員が水俣病ではないとして請求を棄却した。

 西井和徒(かずと)裁判長は、患者認定の国基準を踏襲し、同居していた家族の状況や、症状が水俣病由来のものかを検討。八人のうち六人は家族に認定患者がいないことなどから、胎児・幼少期に多くのメチル水銀を摂取したとは言えないと判断した。

 国基準はもともと複数の症状を要件としたが、最高裁は二〇〇四年、水俣病の典型症状である感覚障害だけでも患者と認定している。八人のうち多量摂取がありうるとされた二人は感覚障害を訴えたが、高裁は「水銀との因果関係が明らかでなく、他の疾患による可能性がある」とした。

 原告弁護団は判決後の記者会見で「これまでの議論や判例に基づく考え方があるのに、その積み上げを無視したひどい判決だ」と批判した。上告する方針。

 判決によると、八人は水俣病が公式確認された一九五六年前後に熊本、鹿児島両県で生まれた六十代の男女。両県に患者認定を申請したが認められなかった。

 二〇一四年三月の一審判決は三人を水俣病と認め、障害の重さに応じて一人当たり二百二十万〜一億五百万円の支払いを命令。五人の請求は棄却した。原告全員と国、熊本県、チッソの双方が控訴していた。

 異動に伴い、判決は増田稔裁判長が代読した。

 

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