東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 3月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

<新型コロナ>都内 医療不安 永寿総合病院 集団感染

入り口に張り出された新型コロナウイルスに伴う休診を説明する文書=26日、東京都台東区で

写真

 新型コロナウイルスの感染者が二日連続で四十人を超え、爆発的患者急増を防ぐことができるかどうかの瀬戸際に立たされた首都・東京。看護師や患者らの感染が相次ぐ永寿総合病院(台東区東上野)には、不安を抱えた患者や家族らが訪れた。週末の外出自粛要請を前に、スーパーの食料品は品薄になり、夜の繁華街も人出は少なかった。 (井上真典、三輪喜人)

 永寿総合病院は一日最大で千人超の外来患者が訪れる台東区の中核病院で、二十四時間体制で急患を受け入れている。二十二日に茨城県土浦市に住む女性職員が県内の検査で陽性と判明。東京都は同病院に関連した感染者として二十三、二十四日に二人ずつ、二十五日に十一人、二十六日に十人が感染したと発表。患者や看護師のほかに、どのような人が含まれているのかは公表していない。

 関連する感染者が二十六人になった二十六日、病院の入り口には、休診を知らせる立て札が置かれ、十数人の職員が屋外で、訪れた患者らの対応に追われた。

 妊娠二十七週目という区内在住の田村麻子さん(39)は、二十五日から休診になっていると知り、別の病院の紹介状をもらうため、二人の子を連れてバスで訪れた。

 「妊婦健診は休診中でもできると電話で言われたが、生まれてくる子のことを考えると、リスクは避けたい」と感染発覚のニュースを見て病院変更を決めた。「産後ケアも手厚いし、総合病院なのでここに決めていたのですが、しょうがないです」と残念がる。

 病院前では常に十人ほどが職員の対応を待っていた。足立区の芸人鈴木猛さん(73)は、三十日にパーキンソン病の妻(70)に代わって薬を受け取りに来る予定だったが、休診を知り訪れた。

 「薬がなくなると、妻は動けなくなる。昨日から何度電話してもつながらなかった」という。職員に事情を話し、処方箋を受け取ると「ちゃんと対応してもらえて良かった」と安心した様子だった。

 入院中の夫の洗濯物を受け取りに訪れた千葉県内に住む七十代の女性は、「心配でどうしようもないです」と不安を口にした。病院の外で、窓から見える入院中の夫に手をふり、病院を後にした。

 対応していた病院職員は「地域の基幹病院として、慕われてきただけに残念です」と話した。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報