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【社会】

<ルポ「緊急事態」>宣言一夜明け 減る人影、縮む日常

緊急事態宣言から一夜明け、店舗の臨時休業や時短営業などで閑散とした丸の内仲通り=8日午前10時30分、東京都千代田区で(川上智世撮影)

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 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、七日に発令された緊急事態宣言。一夜明けた八日朝、対象区域となった首都圏では、繁華街などで「臨時休業」の張り紙が目立った。一方で変わらず通勤するサラリーマンや、マスクを求めて店舗前で行列をつくる人たちも。「見えない敵」に戸惑う様子が各地で見られた。 (新型コロナウイルス取材班)

 東京都新宿区の歓楽街・歌舞伎町。店舗の多くがシャッターを閉め、道行く人もまばらだ。普段は開店待ちの長い列ができるパチンコ店も休業を伝える紙が張られ、それを見た男性は「昔(宣言前)の方がよかったよ」と舌打ちした。

 ホストクラブの客引きをしていた三十代男性は「以前と比べて人通りは一割ほど。自粛というが、誰が生活を保障してくれるのか」と嘆く。滞在先のネットカフェも休業するかもしれず、別の同僚男性は「地方にある実家に帰るしかない」と肩を落とした。

 街の姿を目にとどめようと訪れた中野区の映画助監督、泉原航一さん(32)は休業した映画館前で立ちつくし、「悲しいですね。見えない敵と戦っているのだと感じる」と話した。

 東京駅周辺では平時より人影が少ないものの、スーツ姿の人々がオフィスに向かっていた。

 「宣言が出されたが実感がわかず、逆に不安」と話すのは電子機器メーカーの女性会社員(41)=千葉県市川市。社内でテレワークが進んでいるが、「契約書に会社の実印を押すため」に六日ぶりに出社したという。「感染拡大を防ぐため、もっとテレワークを徹底したほうがいい」と困惑した様子だった。

 製造業の男性会社員(48)=神奈川県茅ケ崎市=は、今日から最少人数での勤務となり、自分が当番になった。「宣言が出たとはいえ、地方の工場は稼働しているので連携を取らなければ」と淡々と話した。

 JR大宮駅前でも、臨時休業を知らせるカラオケやパチンコ店の張り紙が目立った。一方で、ドラッグストアでは午前八時半ごろ、マスクを求める百五十人ほどの行列。午前六時から並ぶ七十代女性は「三時間待つのはざら。もっと早く宣言を出してくれたらねえ」とため息をついた。

 居酒屋で作業をしていた女性店員(34)は「昨晩はいつもの金曜よりサラリーマン客でにぎわった。今日からテレワークで会社に行かなくていい人が最後に一杯という感じなのかな」と話し、「今夜から休業しようと思ってたけど、こんなもうけがあるなら考えちゃうよね」と笑った。

 横浜市中区の飲食店や雑貨店などが入る文化・商業施設「横浜赤レンガ倉庫」は八日から当面の間、臨時休業に。自転車で訪れた同市南区の無職福田行宏さん(79)は「いつもより断然、人通りは少ない。最近は外国人の姿を見なくなり、横浜じゃないみたい。必要な外出は自粛を求められているわけではないので、落ち着いて生活したい」と冷静に話し、早期の収束を願った。

 

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