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【政治】

消費税10% 午後表明 首相、景気対策閣僚に指示へ

 安倍晋三首相は十五日午後に臨時閣議を開き、二〇一九年十月に予定通り消費税率を10%に引き上げる方針を正式表明した上で、政権が掲げる「全世代型社会保障改革」の財源確保のための増税だとして、国民に理解を求める考えだ。酒と外食を除く飲食料品などは現行の8%のまま据え置く。景気の落ち込みも予想されるため、臨時閣議では景気対策の具体化の検討を関係閣僚に指示する。

 政府、与党は十五日午前の政策懇談会で、今年相次いだ災害の復旧費など約九千四百億円の二〇一八年度補正予算案について了承した。午後の臨時閣議で決定する。首相は懇談会のあいさつでは、消費税に触れなかった。

 消費税率引き上げに伴う景気対策では、中小規模の店舗でクレジットカードなどでキャッシュレス決済をした場合、増税分のポイント還元をすることを検討。所得要件を設けて住宅購入者に最大五十万円を支給する「すまい給付金」の拡充などを盛り込む。

 全世代型社会保障改革では、幼児教育・保育や高等教育の無償化などを実施。子育てしやすい社会づくりに取り組む姿勢を示す。一方で、増え続ける社会保障費を抑制するため、首相は現行六十五歳の年金支給開始年齢を七十歳超も選べるようにすることに意欲を示す。 (関口克己)

◆1年後の景気見通せず

<解説> 安倍晋三首相が来年十月の消費税率10%への引き上げを表明する背景には、アベノミクスの成果で国民が負担増に耐えられる環境をつくり出したという自信がある。ただ通商問題を巡る米中対立のあおりで世界経済の先行きは不透明。国内の経済にも停滞懸念が出てきており、一年後の景気は見通せないのも事実だ。

 首相は臨時閣議で消費税増税前の駆け込み需要と、増税後の消費の反動減を抑える対策の策定を指示する方針だ。三たびの消費税増税の延期はないという「事実上のゴーサイン」(財務省幹部)を出すことで、遅れが目立つ軽減税率の準備加速を促す狙いもある。

 政府内では回復基調にある日本経済の現状を踏まえ「今回は間違いなく(消費税増税を)やれる状況」(麻生太郎副総理兼財務相)という見方がある。

 だが今の流れが一年後まで続くとは限らない。米中両国の貿易摩擦は出口が見えず、国際通貨基金(IMF)の国際通貨金融委員会(IMFC)は十三日「景気減速リスクがますます拡大している」と警告する声明を発表。日本経済の景気拡大期は来年一月に六年二カ月と戦後最長を超え「いつ停滞、後退局面に入ってもおかしくはない」(経済官庁幹部)とされる。

 菅義偉(すが・よしひで)官房長官は十五日午前の記者会見で増税対策に関し「具体化を進めていく必要がある」と強調する一方、リーマン・ショック級の経済危機が起これば増税を見送るとの首相の方針については「全く変わっていない」と説明した。向こう一年は、景気の現状と先行き、国民が負担増に耐えられるかどうかを冷静に見極めることが必要になる。 (生島章弘)

 

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