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【政治】

米業者、カジノ建設に意欲 大阪万博決定翌日に祝意

 米国など海外のカジノ業者が、二〇二五年国際博覧会(万博)開催が決まった大阪市で、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)を建設しようと熾烈(しれつ)な売り込み合戦を繰り広げている。トランプ米大統領が、日本参入免許を与えるよう安倍晋三首相に求めたと報じられた業者も。地元では、カジノは万博にそぐわないとして違和感を訴える声が出ている。 (中根政人)

 「大阪万博は、IR計画と密接な関係がある。大阪にも施設を開発する機会に恵まれ、新たな歴史を刻むことに貢献できる日を楽しみにしている」

 大阪万博開催が決定した翌日の今年十一月二十四日。米カジノ大手「ラスベガス・サンズ」は早速、祝福のコメントをホームページに掲載した。同社の会長は、トランプ氏の有力支援者シェルドン・アデルソン氏。調査報道専門ニュースサイト「プロパブリカ」によると、二〇一七年二月に米フロリダ州でトランプ氏が首相と会談した際、同社の日本参入を検討するよう求めた(首相は否定)。

 今月十二日には、同社のロバート・ゴールドスティーン社長らが大阪入りし、ほかのカジノ業者に先駆けて松井一郎大阪府知事や吉村洋文大阪市長にIR実現への強い意欲を伝えた。

 大阪のIR誘致が成功するとみて、参入を競うのは同社だけではない。府・市IR推進局によると、一一年十一月に松井府政が発足して以降、松井氏とカジノ業者は計二十七回面会。米業者「MGMリゾーツ・インターナショナル」の日本法人は今年七月、大阪市での天神祭に協賛した。万博誘致委員会の公式パートナーには、両社を含む米国、香港の計五社(日本法人を含む)が名を連ねる。

 日本政府は「万博とIRは無関係」というのが公式見解。しかし、今年の通常国会で、拙速との批判を押し切ってIR整備法を成立させた。首相はIRについて「日本を観光先進国に引き上げる原動力」と国会答弁したことも。トランプ氏への配慮でIRを推進しているとの批判も出ている。

 地元の市民団体「カジノ問題を考える大阪ネットワーク」は、カジノと万博をセットで整備することは、万博を「公衆の教育を主たる目的とする」と定めた国際博覧会条約に反すると疑問視。ギャンブル依存症の危険を高めるカジノは、大阪万博のサブテーマにある「心身ともに健康な生き方」と矛盾するとの見方も。

 同ネットワーク代表の桜田照雄・阪南大教授は「人の不幸で稼ぐカジノと万博が一蓮托生(いちれんたくしょう)になっている。カジノは地域の持続的な経済成長を保証せず、むしろ地域を破壊する施設だ」と警鐘を鳴らしている。

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<カジノ構想> 今年7月に成立したカジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法は、全国3カ所を上限にIRを整備すると規定。具体的な場所は未定。大阪府と大阪市は、大阪万博の前年の2024年の開業を目指す。用地は、大阪市此花区の人工島「夢洲(ゆめしま)」(約390ヘクタール)内で、万博会場に隣接した約70ヘクタールを想定。

 

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