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【政治】

<こう動く2019日本>(2)消費税増税 3度目の延期 否定できず

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 消費税は十月一日から、税率が10%に上がる。政府は経済危機や大災害が起こらない限り、予定通り増税すると説明するが、安倍晋三首相はかつて、増税による景気の冷え込みを懸念して、引き上げ時期を二度延期した。世界経済の悪化で日本の成長が大きく鈍るなら「二度あることは三度ある」というシナリオも否定はできない。

 今月召集の通常国会へ提出される二〇一九年度予算案には、消費税率引き上げによる増収を活用した幼児教育・保育無償化や社会保障の充実策などが盛り込まれた。

 さらに、キャッシュレス決済時のポイント還元や低所得者ら向けのプレミアム商品券発行など、景気の下支え対策としても二兆円超を計上。価格が高い車や住宅の購入を中心とした減税策も加えれば、一連の対策の規模は、増税による家計の実質的な負担増二兆二千億円を上回る。

 政府が増税に向けて手厚い支援を講じるのは、一四年四月に税率を5%から8%に上げた際のトラウマ(心的外傷)が残っているためだ。当時、大規模な経済対策を組んだものの、いったん冷え込んだ個人消費はなかなか回復しなかった。「財務省は景気が落ち込むのは一・四半期だけと言っていたが、実際には長引いた」(政府高官)と官邸の不興を買ったことも、税収増を相殺するほどの大盤振る舞いにつながった。

 消費税増税を織り込み、当初段階で初めて百兆円を超えた予算案と税制改正大綱が閣議決定されたことから、財務省では今のところ、「税率引き上げのプロセスが進んでいる」(岡本薫明次官)という見方が支配的だ。

 しかし、三たびの延期が完全にないとは言えない。昨年末にかけ日米の株価が急落。米中の貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱の行方など、日本経済に影響を及ぼす海外景気の不安材料が今年も多いからだ。 首相は景気重視を鮮明にしている上、「消費税率10%への引き上げを決めた一二年の民主、自民、公明の三党合意にかかわっておらず、(消費税への)こだわりが小さい」(財務省幹部)とされ、増税からの方針転換も抵抗なく決断できるとみられている。

 一方、三度目の正直で増税するとしても、景気の動向によっては追加の財政支出が浮上する可能性はある。夏の参院選を控え、首相が「バラマキ」の誘惑に打ち勝つことは容易でない。 (生島章弘)

 

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