東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 紙面から > 1月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

<こう動く2019日本>(4)外国人労働者 支援策の実効性が課題

写真

 昨年秋の臨時国会で成立した改正入管難民法に基づき、外国人労働者の受け入れを拡大する新制度の開始が四月一日に迫る。政府は急ピッチで受け入れ態勢の準備を進める。一方、野党は、外国人支援策の実効性などの問題点を、引き続き追及する構えだ。

 最初のヤマ場は、今月二十三日の衆院法務委員会閉会中審査。政府は、外国人受け入れの方向性を示す基本方針や、受け入れ見込み数を盛り込んだ分野別運用方針について説明する。

 昨年十二月に決定した分野別運用方針では、受け入れ規模は五年間で最大約三十四万五千人。外国人労働者が大都市圏に集中しないための措置や、悪質な仲介業者の介在を防ぐ方策を講じ、雇用契約で日本人と同等以上の報酬額を求めるとした。

 野党は、受け入れ数の積算根拠や将来的な見通し、外国人の労働環境や人権保護の具体策をただす方針。臨時国会では政府があいまいな答弁を繰り返し、大島理森衆院議長が施行前に法制度の全体像を国会報告するよう、異例の勧告を出した。閉会中審査でも政府が回答を先送りするようなら、紛糾は必至だ。

 法務省は新制度の政省令案をまとめ、パブリックコメント(意見公募)を始めた。今月二十六日まで受け付ける。寄せられた意見や疑問、国会での議論に十分答えないまま政省令が決められ、新制度がスタートすれば、国民の不安や反発、現場の混乱を招く。

 新制度への対応は分野ごとに異なる。新たな在留資格「特定技能1号」の外国人を受け入れる十四分野のうち、資格取得に必要な技能試験の四月実施は、介護など三分野にとどまる。残る十一分野は秋以降にずれ込んだ。

 人手不足は「中小企業にとって最大の経営課題」として政府に対応を訴えてきた経済界は、新制度を歓迎している。経団連の中西宏明会長は昨年末、外国人受け入れに関して政府が定めた総合的対応策について「日本語教育の充実など、外国人が社会で安心して暮らせるための具体的な方針が示された」と評価した。

 中西氏は「今後は国内外に対する分かりやすい情報発信、適切なフォローアップが必要だ」と指摘。制度開始後も、行政と地域との連携、外国人を受け入れる企業による適切な労働条件の確保が課題となる。

 (坂田奈央、編集委員・中沢幸彦)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報