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【政治】

<こう動く2019日本>(5)日米交渉 新貿易協定の範囲焦点

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 日本と米国が昨年九月に合意した新たな貿易協定の交渉は、当初見込まれた一月の開催が見送られ、三月ごろにずれ込む見通しだ。自国の利益を追求するトランプ米政権は、農産品などの早期の市場開放を強硬に迫ってくると予想される。

 米国は昨年末に対日交渉の目的を発表し、制度上は一月二十日以降に交渉できる状況となった。ただ、交渉を担当する米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は中国との協議も担当。対中協議の期限となる三月一日までは日本との交渉は先送りされそうだ。政府関係者は「日程は白紙。ライトハイザー氏が北京訪問に合わせて日本に来る可能性もある」と話す。

 今後の日米交渉で焦点となるのは協議の範囲。日米間で認識が大きく食い違っているためだ。

 日本は交渉範囲を物品関税に限定し、協定の呼称を「日米物品貿易協定(TAG)」と説明する。一方の米国は、昨年末に示した交渉目的に関税だけでなくサービスやルール分野も明記。呼称も「米日貿易協定(USJTA)」と物品に限定していない。

 米国側は、農業団体が求める物品関税の交渉を早々に終わらせた上で、米議会の関心が強い金融や保険、医薬品などのサービス・ルール分野の交渉へ移る「二段階方式」を想定しているとみられる。

 これに対して日本側は、サービス・ルール分野は「米国が『非関税障壁』と一方的に主張すればなんでも『障壁』となり、取引のカードにされてしまう」(交渉筋)として、議論を避けたい思惑がある。

 このため日本は当面の関税交渉で、米国が保護したい自動車や鉄鋼で環太平洋連携協定(TPP)並みの引き下げを求め、議論を長期化させる方針。米国が難色を示せば「のめないなら日本の農産品もTPP並みの市場開放は認められない」と主張し、時間をかけた交渉に持ち込む構えだ。

 ただ、六月に大阪市で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議では日本が議長国として議論を主導する必要があり、トランプ米政権との全面対決はできない。

 米国の景気減速を受けてトランプ氏が大統領選再選に向けて功を焦り、日本に早期の成果を求める可能性がある。さらに、同盟国を重視したマティス国防長官の辞任で安全保障が取引の材料となる恐れもあるなど、懸念は多い。 (矢野修平)

 

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