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【政治】

<こう動く2019日本>(6)北方領土 日ロ交渉、早々に本格化

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 政府は年明け早々から、北方領土問題を解決して日ロ平和条約の締結を目指す交渉を本格化させる。夏の参院選前に一定の成果を見込むものの、ロシア側に譲歩の気配はなく、難航が予想される。

 日ロ首脳は一九五六年の日ソ共同宣言を基礎とした平和条約交渉を行うことで合意し、両国外相を責任者とする枠組みを設けた。今月半ばには、河野太郎外相が訪ロし、ラブロフ外相と交渉を始める。下旬には安倍晋三首相も訪ロし、プーチン大統領と二十五回目の会談を行う予定。首相は四日の年頭記者会見で「今こそ戦後日本外交の総決算を行う。大きく前進する一年にしたい」と意気込んだ。

 首相は六月二十八、二十九日に大阪市で開かれる二十カ国・地域(G20)首脳会合の機会にも、プーチン氏と会談。ここで北方四島の帰属先確定や、戦後七十年余の懸案となっている平和条約締結に筋道を付け、参院選のアピール材料としたい考えだ。

 ロシアは領土問題で妥協するつもりはない。宣言にある歯舞(はぼまい)群島、色丹(しこたん)島の引き渡しさえ、プーチン氏は「どちらの主権で行われるかは書いていない」と突き放す。宣言に記載のない国後(くなしり)、択捉(えとろふ)二島の返還請求は論外との姿勢だ。

 ラブロフ氏は河野氏との会談で、まず北方領土が合法的なロシア領だと受け入れるよう迫る見込みだ。最新の世論調査では、ロシア国民の七割以上が領土引き渡しに反対。ロシア側に日本との平和条約締結を急ぐ理由は乏しく、国内世論や国際情勢を見極めながら、交渉の速度を調整する。

 ロシアは将来的な米軍基地建設の可能性にも神経をとがらせている。プーチン氏は年末の記者会見で、沖縄県で、地元の米軍新基地建設反対の声が日本政府の政策に反映されていないと指摘。北方領土引き渡し後に、米軍基地設置を拒めるかを疑問視する。

 交渉内容によっては、米国との安全保障関係に影響を及ぼすことから、日本の外務省内にも、議論を急ぐことへの慎重論もある。

 ロシア側が強硬姿勢を貫く一方で、日本政府は、条約締結以外の目標を明かさず、交渉の着地点は見通せない。与党内には歯舞、色丹の二島返還を優先する「二島プラスアルファ」での決着を図るべきだとの意見もある。面積の大部分を占める国後、択捉の返還が遠のくとの反発が強まれば、政府は容易に「二島プラスアルファ」に踏み切れない。(大杉はるか、モスクワ・栗田晃) =おわり

 

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