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【政治】

職員、統計の不正放置 監察委報告 漫然と前例踏襲

 「不正な手法を変えた方がよいと思ったが、総務省の統計委員会にかけると問題があると思った」。毎月勤労統計の不正問題で、厚生労働省の特別監察委員会が二十二日公表した調査報告書では、一部の担当職員が不正を認識しながら、誰も声を上げず、漫然と前例踏襲を続けていた実態が明らかになった。

 勤労統計では、従業員五百人以上の企業は本来、都道府県を通じて全て調べることになっているのに、厚労省は二〇〇四年から東京都内について抽出調査に勝手に変更。なぜ不正が始まったのかが焦点の一つだったが、当時の担当係長は監察委の聴取に対し「全数調査は企業から特に苦情が多く、大都市圏の自治体からの要望に配慮する必要があった」と話した。

 ただ、一部の職員は抽出調査について「うそ」と言及。是正できなかったことに「じくじたるものがある」との証言もあった。

 不正な調査を容認するマニュアルは一四年に該当部分が突然、削除される。同年三月に政府が、勤労統計を含む基幹統計をチェックする計画を閣議決定したため、不正発覚を恐れた可能性があるが、当時の担当課長は「隠す意図は全くなかった」と否定した。

 だが、過去のマニュアルは上司である部長の決裁を得ていたのに、このときは決裁を取らず、独断で実行。監察委は「不適切な対応」と指摘した。

 また、遅くとも一九九六年からは本来の調査対象の事業所数約三万三千より、一割少ない数しか調べていなかった。当時の担当者は「予算を増やせないか担当職員に相談したが、作業が大変になるのでやめてくれと言われた」と証言。統計が省内で軽視されていた実態も浮かんだ。

 このほか〇九〜一七年にかけて、もともと抽出調査である三十〜四百九十九人の事業所調査でも、一部で正しく復元がされていなかった。

 これらの不正な手法で算出された調査結果は修正・復元する必要があるが、再集計のために必要な資料が一部廃棄されていることも判明。監察委は「統計法、公文書管理法に照らし、不適切な扱いだ」と断じた。

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