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【政治】

統計不正 国会審議前、幕引き急ぐ

 毎月勤労統計の不正問題を調査した特別監察委員会は、初会合からわずか五日で公表した報告書で厚生労働省の組織的隠蔽を「認定できない」と結論付けた。問題を審議する二十四日の衆参両院での閉会中審査を前に幕引きを急ぎたい政府の思惑を反映したとみられる。だが調査結果にはあいまいな点も多く、隠蔽の疑いが晴れたとは言い難い。

 根本匠厚労相は二十二日の臨時記者会見で、報告書を受け「しっかり調査していただいた」と強調した。

 報告書によると、一七年冬ごろには局長級の政策統括官が担当室長から不正な抽出調査の報告を受け、修正を指示した後、対応を一任したまま放置。室長は一八年から全数調査に近づける補正処理を部下に指示していた。

 監察委は「法令順守意識が欠如している」と指摘する一方で、「意図的な隠蔽とまでは言えない」との評価を下した。

 だが、省内で担当室長以下が不正を認識しながら対応しなかったのは、紛れもない事実。しかも、決裁権を持っていた上司は監察委の聴取に「統計技術的な問題となる復元(修正)は当然行われると思い込んでいた」と、関与について不自然な話をしている。幹部を含めた組織的な「意図」がなかったと断言はしにくい。

 報告書は抽出調査が始まった〇四年から一一年にかけての統計データの存在が一部確認できないことにも触れた。統計法や公文書管理法が定める保存期間に達していないものもあり、監察委は「不適切」と認定した。

 この点では、資料がなくなった当時の詳しい経緯や廃棄の指示の有無などについては、報告書には書かれていない。意図的な資料廃棄などの疑念は残ったままだ。 (大野暢子)

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