東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 紙面から > 1月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

統計不正、与党も「組織的隠蔽」追及 初国会論戦

写真

 衆院厚生労働委員会は二十四日午前、毎月勤労統計の不正調査問題を巡る閉会中審査を開いた。不正が発覚してから初の国会論戦。問題を調べた厚労省の特別監察委員会は、不正の動機を組織的隠蔽(いんぺい)でないと結論づけたが、審議では与野党議員とも隠蔽の疑いを指摘した。厚労省は、特別監察委が聞き取り調査した同省職員三十一人のうち、課長補佐級以下の十一人は、第三者の監察委メンバーではなく同省の他の職員が調査を担当したことを明らかにした。身内同士の調査で、検証の中立性が問われる。 (新開浩)

 立憲民主党会派の大串博志氏の質問に同省の定塚由美子官房長が答えた。大串氏は「第三者による調査というが虚偽報告だ。こんなお手盛りの調査はない」と批判した。

 立民の西村智奈美氏は、追加給付の対象者が自身が該当するかどうかを確認できず、給付を受けられない可能性があるとして「消えた給付金問題になる」と批判した。

 根本匠厚労相は冒頭「正確性が求められる政府統計で、こうした事態を引き起こしたことは極めて遺憾であり、国民に迷惑をかけたことを深くおわびする」と陳謝。不正に伴い雇用保険などの過少支給が生じた問題では、現在の受給者には三月から六月までに追加給付を行う方針を表明した。

 厚労省幹部は、約八十万人が現在受給している雇用保険は三月、船員保険は四月中旬に実施すると説明した。自民党の橋本岳氏への答弁。

 毎月勤労統計は、従業員五百人以上の事業所は全て調べるルールだが、東京都内では二〇〇四年以降、一部の事業所だけを抽出して調査していた。監察委の報告書は、歴代担当者が不正を認識しながら踏襲し、局長級の職員も報告を受けながら放置したと認めたが「意図的な隠蔽とまでは言えない」とした。

 これに対し、橋本氏は「意図的に抽出した疑いをかけられている」と指摘。公明党の桝屋敬悟氏も「担当者の責任をあいまいにしている。組織的な隠蔽があったのではないか。膿(うみ)を出し切るまで調査してほしい」と調査の継続を求めた。

 西村氏は、追加給付の作業に必要な人件費などの事務費百九十五億円が、対象者の増加に伴い増える可能性を質問。根本氏は「増える可能性も、減る可能性もある」と答えた。厚労省は対象者を延べ約二千万人と試算。このうち、住所記録のない人は延べ一千万人以上と見込んでいる。

 厚労省は昨年一月分からは全数調査に近づけるよう、データを補正していた。西村氏はこうした経緯を踏まえ「(安倍政権の経済政策)アベノミクスで成果が上がっていたということも、うそをついていた。賃金偽装だ」と批判した。

 午後には参院厚労委でも閉会中審査を開催する。

<勤労統計の不正調査問題> 企業の賃金や労働時間を把握する統計で厚生労働省が不正な調査をしていた問題。東京都の対象約1400事業所のうち2004年からは3分の1程度だけ調べた。集計後の平均給与額は実態よりも低く、統計を基にした保険制度の金額が低くなり、延べ約2015万人に過少支給が発生。内訳は雇用保険約1942万人、労災保険約72万人、船員保険約1万人。追加支給関連費で事務費を含め約795億円を19年度予算案に盛り込み、閣議決定をやり直した。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報