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【政治】

辺野古新基地一点問う 沖縄県民投票、告示 24日投開票

米軍普天間飛行場移設のための埋め立てが進む沖縄県名護市辺野古の沿岸部=14日午前(ドローンから)

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 米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設に伴う名護市辺野古(へのこ)での新基地建設を巡る県民投票が十四日、告示された。選挙と異なり、辺野古移設の賛否に絞って県民が直接民意を示すのは初めて。一部の離島を除き、二十四日に県内全域で一斉に投開票される。法的拘束力はないため、政府は結果によらず日米同盟の抑止力維持などを理由に移設工事は続ける方針。県民から大きな反発を招く可能性もあり、四月の衆院補選や七月にも予定される参院選をにらみ、国の対応が焦点となる。

 玉城(たまき)デニー知事は反対の民意を明確化させ、国に移設断念を迫りたい考え。

 移設反対派は十四日、那覇市や名護市での街頭活動や集会で反対への投票を呼び掛けたが、容認派は表立った活動は控えた。玉城氏は県庁で記者団に「自身の意思を直接示す重要な機会だ。ぜひ貴重な一票を投じていただきたい」と語った。

 投票は、用紙に記載された「賛成」「反対」「どちらでもない」の三つの選択肢のいずれかに「○」を記入する。最も多い得票だった選択肢が投票資格者の四分の一に達したときは、知事は結果を尊重しなければならず、首相や米大統領に結果を通知する。十三日現在の投票資格者数は百十五万六千二百九十五人。

 移設に反対する共産や社民など県政与党や市民団体は、圧倒的な反対票獲得のため告示前から運動を活発化させている。容認派の一部には、反対すれば普天間の固定化につながるとして、賛成を呼び掛ける動きもある。容認の自民党は県民投票への盛り上がりを警戒し自主投票で静観するほか、反対の公明党県本部も自主投票の方針だ。

 沖縄県での県民投票は一九九六年に米軍基地の整理・縮小と日米地位協定見直しの賛否が問われたのに次いで二回目。

◆菅氏、結果にかかわらず推進

 菅義偉(すがよしひで)官房長官は十四日午前の記者会見で、沖縄県名護市辺野古での米軍新基地建設について、同日告示された県民投票の結果にかかわらず推進する考えを明言した。「どういう結果でも進めるか」との質問に「基本的にはそういう考えだ」と答えた。岩屋毅防衛相も記者団に「普天間の一日も早い全面返還に向けて事業を進めたい。丁寧に説明しながら進めたい」と話した。

◆直接審判 重み受け止めて

<解説> 十四日告示された沖縄県民投票は、地元の民意にかかわらず同県名護市辺野古で米軍新基地建設を推進してきた安倍政権の方針に対し、県民が直接審判を下す重要な機会だ。法的拘束力はないが、結果を軽視することは許されない。

 新基地反対を掲げた玉城デニー氏が大差で初当選した昨年九月の知事選をはじめ、沖縄で近年実施された国政選挙を含む大型選挙は、新基地の是非が最大の争点になってきた。

 しかし、政府・与党が支援する候補者は態度を明確にしないことも多く、建設反対派が勝利しても、政府は構わず建設を推進してきた。選挙で問われたのは新基地建設だけではなく、さまざまな地域の事情の中で選ばれたという理屈だ。

 今回の県民投票は、新基地建設に絞って賛否を問う点で、大きく異なる。ほかにも争点はあるという言い逃れはできない。

 県民は、新基地という新たな負担を拒むのか。普天間飛行場の固定化を避けるために新基地を容認するのか。直接民主主義で示される結果の重みを、政府は受け止めなければならない。

 また、県民投票は、当初予定していた賛成、反対の二択でなく「どちらでもない」を加えた三択で行われる。二択では複雑な民意を反映できないとして、不参加の意向だった五市にも参加してもらうためだ。

 自主投票とする政党を含め、各党派はこうした経緯を忘れず、積極的に前に出て県民に主張を訴えるべきだ。 (島袋良太)

 

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