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【政治】

精神科、身体拘束1万2000人 17年度最多更新 6割は高齢者

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 精神科病院で手足をベッドにくくりつけるなどの身体拘束を受けた入院患者が、二〇一七年度に全国で一万二千人強に上り、六割は高齢者だったことが厚生労働省の年次調査で分かった。施錠された保護室に隔離された患者も一万三千人近くいた。一七年度から調査方法が変わったため、過去と単純には比較できないが、いずれも最多を更新した。

 精神保健福祉法で拘束や隔離が認められるのは、本人や他人を傷つける恐れなどがあり、指定医が「ほかに方法がない」と判断した場合に限られる。患者団体や専門家からは「実際には安易に行われ、長時間の拘束で死亡する例も出ている。人権侵害の恐れがある」との指摘が出ている。

 拘束は十年間で一・八倍、隔離は一・六倍に増えた。厚労省は「増加の要因は分析できていない。不要な拘束などをしないよう引き続き求めていく」としている。

 厚労省は毎年度、総合病院の精神科病床を含めた六月末時点の状況を調べており、指定医から拘束や隔離の指示が出ていた人数を集計。一七年度からの調査方法の変更で、これまで分からなかった年代別や疾患別などの内訳も初めて判明した。

 拘束には、点滴を抜かないよう手指の動きを制限するミトン型手袋の着用なども含まれるとみられ、全体で一万二千五百二十八人。六十五歳以上の高齢者が64%を占めた。疾患別では統合失調症・妄想性障害が44%と最も多く、認知症の人も27%いた。

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 入院期間別に見ると、拘束が必要なケースは、暴れるなど激しい症状で入院してきた直後に多いとされるが、入院期間が一年以上の長期患者が51%を占めた。都道府県別では、病床数が多い北海道が千二百九十七人で最多。埼玉県の千二百三十八人、東京都の九百八十二人が続いた。最少は和歌山県で十五人だった。

 隔離は一万二千八百十七人で、統合失調症の患者が65%を占めた。

<精神科の入院患者> 厚生労働省の調査では、2017年6月末現在、精神科の病院ベッドは全国に約32万8000床あり、約28万4000人が入院している。入院期間の長期化で患者の高齢化が進んでおり、65歳以上が58%に上る。疾患別では、統合失調症・妄想性障害が半分以上を占めるが、認知症の人も16%いる。1年以上の長期入院者が61%で、約5万5000人は10年以上入院している。12年ごろのデータでは、日本の人口当たりの精神科ベッド数は先進国最多。平均入院日数も300日近くで突出して長い。

 

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