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【政治】

<今さら聞けない統計不正 Q&A>(下)調査法変更 官邸関与疑い

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 Q 「毎月勤労統計」では、従業員五百人以上の大規模事業所での調査の不正とは別に、中規模事業所(三十〜四百九十九人)の調査方法も話題になっていますね。

 A はい。厚生労働省が二〇一八年一月、調査対象の企業を数年おきに全て入れ替える「総入れ替え方式」から、一部だけを入れ替える「部分入れ替え方式」に変えました。首相官邸の意向が働いたのではないかという疑惑が持ち上がっています。

 Q どこが問題なのですか。

 A 統計上の賃金の伸びを、大きく見せようとした疑いが持たれています。総入れ替え方式は、入れ替え直後に賃金が下がりやすいといわれていました。それを知った中江元哉(なかえもとや)・首相秘書官(現財務省関税局長)が一五年、部分入れ替え方式を検討するよう厚労省幹部に促したのです。実際、部分入れ替え方式になって、前年比の賃金伸び率は上振れしました。

 Q 厚労省と中江氏の意見がたまたま同じだっただけかも。

 A 調査方法について議論する厚労省の有識者検討会は、総入れ替え方式を続ける方向でまとまりかけていました。しかし、中江氏が部分入れ替え方式を提案した直後にまとまった「中間整理」は、部分入れ替え方式も選択肢として残す内容に直されました。その後、安倍晋三首相が議長を務める「経済財政諮問会議」でも、首相に近い麻生太郎財務相や甘利明経済再生担当相(当時)らが、毎月勤労統計を含む統計の改善に言及しました。

 Q 厚労省が、官邸側からの圧力を感じて、調査方法を変えたかもしれないわけですね。

 A 野党も、統計上の賃金は政権への評価につながるため、賃金の伸び率が下がりにくいとされる調査方法へと、官邸が意図的に変えさせたとみて追及しています。

 Q 中江氏や厚労省は疑惑を認めたのですか。

 A 認めていません。今月、国会に参考人招致された中江氏は「(調査方法の)改善の可能性について考えるべきではと厚労省に話した」とは認めたものの、「首相の指示ではなく、私個人の考えだった」と主張しました。厚労省も、検討会にはもともと部分入れ替え方式を支持する委員もいたとして、中江氏の提案の影響を否定しています。(この連載は大野暢子が担当しました)

 

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