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【政治】

結論矛盾 理解しがたく 統計不正 厚労省監察委再調査

 <解説>毎月勤労統計の不正に関し、厚労省の職員は対外的にウソの説明をしていたが、不正を隠すつもりはなかった−。厚労省の特別監察委員会が公表した再調査報告書を一言に要約すれば、こういうことだ。矛盾した説明は国民には理解しがたい。隠蔽の疑いはむしろ深まった。

 再調査報告書は「対外的に事実と異なる説明を行っていた」例として、担当室長が二〇一六年十月、総務省に申請した新たな調査計画案に全数調査を行っていると虚偽を記し、不正な抽出調査については報告しなかったことを挙げた。

 報告書は、室長が「これまでの不適切な取り扱いの説明にも窮することから、事実を正直に言い出せず」実態と異なる記載をしたと認定した。一般に、不都合な事実を正直に明かさないことを「隠蔽」という。

 ところが、報告書は「殊更に隠そうとの意図があるとまでは認められない」と隠蔽の意図を否定した。委員長代理の荒井史男弁護士は記者会見で、隠蔽を否定した理由について、職員の「心理状況」の認定が困難だと釈明した。「隠蔽なし」の結論が先にあり、後から理屈をひねり出したとしか受け取れない。

 これでは、前回の調査と同様、第三者性は皆無と言うほかない。担当者の隠蔽の意図を認めなければ、組織的な隠蔽に関しても十分な調査が行われるわけがない。厚労省が隠蔽を認めて反省しないなら、同様の不祥事が繰り返される懸念は拭えない。 (新開浩)

 

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