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【政治】

組織的隠蔽、また否定 統計不正 虚偽説明は認定 厚労省監察委再調査

 毎月勤労統計不正で、厚生労働省の特別監察委員会(委員長=樋口美雄(ひぐちよしお)労働政策研究・研修機構理事長)は二十七日、再調査結果の報告書をまとめ、一月の発表と同様に組織的隠蔽(いんぺい)を否定した。理由として、鈴木俊彦事務次官ら幹部は不正を認識せず隠蔽の指示をしていなかった上、担当課レベルでも綿密な打ち合わせや周到な準備の形跡がなかったことを挙げた。

 報告書は新たに、少なくとも二件の虚偽説明を認定。「公的な場で真実に反することを認識しながら事実と異なる虚偽の説明があった」と指摘する一方、「隠す意図までは認められない」とした。監察委は同省で記者会見し、元名古屋高裁長官の荒井史男委員長代理が「隠蔽は積極的に隠すという厳格な要件があるが、それには当たらない」と述べた。

 野党は「隠蔽行為を認めなかった。アウトだ」と批判し、国会審議で厳しく追及する。

 報告書は、厚労省が二〇一八年一月に行った調査方法変更に関し「統計学的にも十分な合理性が認められる」と明記。方法変更後に賃金伸び率が高水準となり「アベノミクス偽装」と批判する野党の見方を、監察委が否定する形となった。

 根本匠厚労相は樋口氏から報告書を提出され「信頼回復と再発防止に取り組みたい」と述べた。

 報告書は、厚労省の公的統計の意義や重要性に対する意識の低さが際立っており、幹部職員の多くが統計に無関心だと指摘。しかし、統計部局トップ以外の幹部については本来の全数調査ではなく不正な抽出調査で行われていたことすら認識せず、不正に関与していなかったと認定した。

 一方、担当課のトップを含む複数の職員が関係し、組織としての独自の判断や怠慢による不適切な取り扱いがあったとは認めた。総務省などに全数調査と虚偽の説明をした点について「担当課トップの判断の下、部下の協力を得ながら行われたもので、課という組織としての判断」とした。

◆特別監察委メンバー

 ▽委員長=樋口美雄(労働政策研究・研修機構理事長)▽委員長代理=荒井史男(弁護士)▽委員=井出健二郎(和光大学長・会計学)玄田有史(東京大社会科学研究所教授)篠原栄一(公認会計士)萩尾保繁(弁護士)広松毅(東京大名誉教授)柳志郎(弁護士)

 ▽事務局長=名取俊也(弁護士)▽事務局員・参与=五十嵐康之(弁護士)沖田美恵子(弁護士) =敬称略

 

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