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【政治】

裁判権放棄 米以外とも密約 53年に政府、英・豪などに適用

 日本に駐留する米軍人らの刑事事件を巡り「重要な事件以外、日本は裁判権を行使しない」とした一九五三年の日米密約を踏まえ、日本政府が同年、米国主体の朝鮮国連軍との地位協定交渉で英国やオーストラリアなど英連邦の四カ国にも密約を適用していたことが十日、機密解除された複数の英公文書で分かった。裁判権放棄が広範に行われていた可能性がある。

 日米間では在日米軍の権利・義務を規定した日米地位協定がある。日本は国連軍とも別に地位協定を結んでおり現在も有効。締約国は神奈川県や沖縄県などの七カ所の在日米軍の施設を使用できる。裁判権放棄の密約が継承されているかどうか検証が必要になりそうだ。日米密約が適用されたほかの二カ国は、カナダ、ニュージーランド。

 琉球大の我部政明教授が英国立公文書館で入手した。我部氏は「米軍に加え国連軍参加の英連邦との密約が存在していた。裁判権行使という主権の実質を相手国に委ねる一方、体面を重視する姿勢は日米同盟や基地使用に関する説明責任に向き合わない現在の日本政府の態度につながる」と指摘している。

 日米は五二年、日米地位協定の前身に当たる行政協定を結び、米軍人や軍属らによる日本国内の犯罪全てで米側に裁判権を与えたが、五三年九月の改定で公務中の事件などを除き、日本に第一次裁判権が移った。だが実際は同年の日米合同委員会の記録で日本側が「重要な事件」以外で裁判権を行使しないと陳述し、米軍人らの事件で裁判権放棄の秘密合意を交わした。 (共同)

 

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