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【政治】

桜田五輪相更迭 「復興より議員大事」発言

辞表提出後、取材に応じる桜田五輪相=10日夜、首相官邸で

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 安倍晋三首相は十日、桜田義孝五輪相(69)=衆院千葉8区=を事実上、更迭した。桜田氏は同日、東日本大震災の被災地を地盤とする自民党衆院議員のパーティーで議員を「復興以上に大事」と失言。これまでの不適切発言も踏まえ、責任を取らせる必要があると判断した。道路整備を巡る「忖度(そんたく)」に言及した塚田一郎元国土交通副大臣に続く更迭で、二十一日投開票の衆院大阪12区、沖縄3区両補欠選挙を控える安倍政権に打撃となる。後任には鈴木俊一前五輪相を充てる。

 閣僚辞任は第二次安倍内閣以降、八人目。第四次内閣では二人目となる。統一地方選後半戦や、夏の参院選の情勢に影響する可能性がある。野党は政権のおごりの表れだと批判し、更迭を拒み続けてきた首相の責任を追及する。

 首相は官邸で記者団の取材に「被災地の皆さんに深くおわび申し上げたい」と謝罪した。「任命責任は首相たる私にある。今後も東北の復興に全力を傾ける」とも語った。

 桜田氏は十日夜、東京都内での高橋比奈子衆院議員=比例東北=のパーティーであいさつし「復興以上に大事なのは高橋さんだ」と述べた。その後、官邸を訪れて首相に辞表を提出し、受理された。記者団に「被災者の気持ちを傷つけるような発言をして申し訳ない」と陳謝した。

 桜田氏は三月二十四日、被災地の道路被害に関しても「健全に動いていたから良かった」と事実誤認の発言をした。今月九日には被災地の宮城県石巻市(いしのまきし)を国会答弁で三回にわたり「いしまきし」と言い間違えた。

 他にも競泳の池江璃花子選手による白血病公表を「がっかりした」と述べるなど失言と謝罪を繰り返し、与党内からも閣僚としての資質を疑問視する声が出ていた。

 桜田氏は千葉県議を経て一九九六年の衆院選で初当選し、七期目。二〇一八年十月の内閣改造で初入閣した。

 東日本大震災を巡っては、一七年四月にも当時の今村雅弘復興相が「まだ東北で良かった」と被災者を傷つける発言をした責任を取り、辞任した経緯がある。

鈴木 俊一氏

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◆後任に前五輪相

<鈴木 俊一氏(すずき・しゅんいち)> 早大卒。環境相、五輪相。65歳。岩手2区、衆院当選9回(麻生派)

【解説】擁護続けた首相 責任重く

 東日本大震災は、震災関連死を含めて死者・行方不明者が二万人を超え、被災地は現在も復興途上にある。更迭された桜田義孝五輪相の発言は許容できるものではない。昨年十月の就任以降、見識が疑われる発言を繰り返してきた桜田氏を擁護してきた安倍晋三首相の任命責任が厳しく問われる。

 桜田氏は、サイバーセキュリティー政策担当でありながら、日常的にパソコンを使用しないと明かしたり、「答弁書を間違いなく読むことが最大の仕事だ」と述べたりするなど、能力が疑問視される言動が相次いでいた。女子競泳選手が自らの病気を公表した際「がっかりしている」と述べるなど、無神経な発言も大きな批判を受けた。

 それでも首相は、桜田氏を続投させてきた。今回、一転して更迭したのは二十一日投開票の衆院大阪12区、沖縄3区両補選や統一地方選後半戦への影響を最小限に抑えるためだ。遅きに失したと言える。

 安倍政権は今月、塚田一郎元国土交通副大臣の「忖度」発言問題で批判を浴びたばかり。「安倍一強」のおごりを体現するような閣僚などの言動が今後も続けば、政権の屋台骨を揺るがしかねない。 (中根政人)

 

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