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【政治】

ギャンブル場 ATM撤去など 依存症対策を閣議決定

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 政府は十九日、競馬や競輪などの公営ギャンブルやパチンコの事業者に施設・店舗からの現金自動預払機(ATM)撤去や、情報通信技術(ICT)を活用した入場制限策の研究を求めるギャンブル依存症対策推進基本計画を閣議決定した。パチンコでは、本人の同意がなくても、家族からの申告で入店を制限する仕組みを来年春までに導入するよう事業者に促すことも決まった。ただ、いずれも事業者への要請にとどまり、罰則規定もないことから、どう実効性を高めるかが課題となる。

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の整備の前提となるもので、昨年十月に施行された依存症対策基本法が策定を義務付けていた。四十七都道府県は今後、この政府計画を基に地域の事情に即した独自の計画を作る。

 菅義偉(すがよしひで)官房長官は、閣議前に開かれた対策推進本部の会合で「基本計画に基づく取り組みを徹底的に講じ、不幸な状況に陥る人をなくし、健全な社会を構築していく」と述べた。政府計画の対象期間は二〇一九年度からの三年間で、必要に応じて見直していく。

 政府計画は、依存症患者や二十歳未満が施設内に立ち入らないよう事業者に個人認証システムを活用した入場制限策を研究するよう要請。新聞や雑誌などの広告は一定の文字の大きさで依存症への注意を喚起し、テレビCMなどは一定の時間を使ってメッセージを流すよう指針で定める。

 インターネットを通じて購入するネット投票では、遅くとも二二年度までに購入額に上限を設けることを決定。既に競馬主催者は二〇年度から購入限度額設定システムを前倒しして導入することを決めている。

 依存症患者や家族に対応する体制を整えるため、相談・治療拠点を全都道府県と二十政令市に設置するほか、社会復帰への選択肢を充実させるため、回復プログラムを実施している民間団体への支援を拡充することも盛り込んだ。

 二二年度からの高校の新学習指導要領でギャンブル依存症を取り上げることから、学校教育でも啓発を図る。依存症が児童虐待や自殺、犯罪に及ぼす影響についても実態調査を進める。

<ギャンブル依存症> 病的にギャンブルにのめり込む精神疾患。家族や仕事よりもギャンブルを優先し、人間関係の破綻や金銭トラブルを引き起こすこともある。政府が2017年度に実施した調査によると、依存症経験が疑われる人は推計3・6%で、国勢調査のデータから算出すると約320万人。直前の1年間に依存症だったと疑われる人は推計0・8%で、計算上は約70万人となる。

 

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