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【政治】

受精卵ゲノム編集、法規制へ 政府調査会検討 子宮移植認めず

 政府の生命倫理専門調査会は二十二日、遺伝子を効率よく改変する「ゲノム編集」を人の受精卵に使った上で、子宮に戻したり、子どもを誕生させたりすることについて、法規制を検討するよう求める報告書案をまとめた。これまで指針による禁止にとどめていたが、中国の研究者が昨年、双子を誕生させたと発表したのを受け、法規制にかじを切った。

 一方で、基礎研究は大幅に拡大させるとの見解を示した。既に認めている不妊治療関連のほか、遺伝病など先天性の病気の実態解明や治療法開発に向けた基礎研究でも受精卵にゲノム編集を行うことを認めた。

 また、細胞内でエネルギーをつくり出す役割を担うミトコンドリアの異常により、神経症状などが出る難病「ミトコンドリア病」について、受精卵のミトコンドリアを他人のものに置き換える「核置換」を行う基礎研究も容認した。

 ゲノム編集を用いた不妊治療関連の基礎研究では、治療で余った受精卵に限って使用を認めている。今回は研究に使うため、新たに受精卵を作ることを認めた。遺伝病などの基礎研究でも、受精卵作製の容認を引き続き検討する。

 報告書案はこれらの操作を加えた受精卵を人や動物の子宮に移植することは認められないと指摘。ただ、技術が進んで社会が受け入れた段階では、容認する余地があるとの見方も示した。

 今後、一般からの意見募集を行った上で、首相を長とする総合科学技術・イノベーション会議が報告書を決定する。これを受け、子宮への移植に関しては厚生労働省が中心となって法規制の議論を行う。基礎研究の拡大については厚労省と文部科学省で指針を検討する。今秋ごろ調査会に報告し、政府は具体的な制定作業を進める。

 こうした技術には難病の治療法開発につながるとの期待がある半面、臨床で使われた場合は予想外の健康被害が生じる恐れが指摘されている。差別を強めるとの批判や、受精卵を道具として用いることになるとの懸念も示されている。

 

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