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【政治】

安保法初適用 自衛隊MFO 幹部2人に防衛相辞令

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 岩屋毅防衛相は二十二日、エジプト・シナイ半島でイスラエル、エジプト両軍の停戦監視活動をする「多国籍軍・監視団(MFO)」の司令部要員として派遣が決まった陸上自衛隊の幹部自衛官二人に防衛省で辞令を交付した。交付式で岩屋氏は「世界の平和と安定に一層の貢献を果たす意義がある」と強調した。

 派遣は、二〇一五年に成立した安全保障関連法で新設された、国連が統括していない任務「国際連携平和安全活動」の初適用となる。

 派遣されるのは、いずれも陸上総隊所属の桑原直人二等陸佐と若杉貴史一等陸尉で、主に両軍との連絡調整に当たる。二十六日に日本を出国する予定で、派遣期間は十一月三十日までとなっている。

◆「新任務の既成事実化」

 明治大特任教授・纐纈厚氏に聞く

自衛隊員派遣について話す明治大の纐纈特任教授=東京都千代田区で

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 MFOへの幹部自衛官派遣に関し、政治軍事史が専門の纐纈(こうけつ)厚・明治大特任教授は、歯止めがない自衛隊の役割の拡大を懸念する。 (聞き手・上野実輝彦)

 −派遣の意味は。

 「中東の平和と安定に日本が貢献することは必要だ。だが、エジプトとイスラエルの軍事衝突の恐れは現在ほぼなく、MFOの役割も形骸化しつつある。派遣には、安保法の実績を重ねて自衛隊の新任務を既成事実化するとともに、海外での自衛隊の存在感を高めたい安倍政権の政治判断があったのではないか」

 −MFOは国連が統括する組織ではない。

 「派兵数をみると、米軍中心の組織だ。国連中心の外交戦略を放棄し日米の軍事的一体化を重視する姿勢の表れだ」

 −今回は司令部要員を派遣する。

 「法的には将来的な部隊派遣も可能となった。多国籍軍への部隊派遣がなし崩し的に常態化すれば、危険な任務への参加を米国から要請された時に拒否しにくくなる。自衛隊員が危険にさらされ、武器使用に踏み切らざるを得なくなる可能性が出てくるだろう」

 −MFO司令部のあるシナイ半島南部の情勢は比較的安定しているとされる。

 「初の国際連携平和安全活動ということで、政府は危険性ができるだけ低く、国際貢献もアピールできる地域を選んだのだろう」

 −国民の理解は得られるか。

 「新しい任務なのに、国会などでの政府の説明は不十分だ。日本らしさに立ち返り、軍事面ではなく文化・経済面での貢献を外交戦略の中心に据えるべきだ。それが親日感情を高め、日本の平和にもつながる」

 

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