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【政治】

サイバー反撃ウイルス保有へ 有事に備え防衛省、作成方針

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 政府は、日本の安全保障を揺るがすようなサイバー攻撃を受けた場合に反撃するとして、防衛省でコンピューターウイルスを作成、保有する方針を固めた。相手の情報通信ネットワークを妨害するためのウイルスを防衛装備品として保有するのは初めて。インターネットがつくり出すサイバー空間における新たな対処策となる。二〇一九年度内に作成を終える。政府筋が二十九日、明らかにした。

 ウイルスは「マルウエア」と呼ばれるソフトの一種。通例、攻撃側が不正アクセスやメール送信により相手方に送り込み、重要情報を盗んだり機能障害を起こさせたりする際に用いられる。反撃能力を備えることで、攻撃自体を思いとどまらせる抑止力の向上につなげる狙いもある。ただ、使い方によっては専守防衛逸脱の懸念も出そうだ。

 防衛省は例えば、政府機関や自衛隊の陸海空のネットワークシステムがサイバー攻撃を受け、部隊運用に支障を来すような事態を想定。ウイルスによる反撃で相手の軍のシステム利用を妨げ、陸海空による攻撃をさせにくくすることを狙うとみられる。

 機密保持の観点から、具体的な手法は明らかにしていない。

 関係者によると、ウイルスは最新の技術力を持つ複数の民間企業に委託し、共同で作成してもらう。攻撃側のシステムに侵入を図るため、ネットワーク上に裏口を設けることができる「バックドア」と呼ばれるソフトなどが検討されている。

 サイバー空間は、目に見えず「ミサイルや戦闘機で備える従来の脅威とは全く異なる領域」(防衛省筋)。昨年末に策定された新たな防衛大綱で「相手方のサイバー空間の利用を妨げる能力」の保有が明記され、具体策の検討を進めていた。ウイルスは、防衛相が直轄する「サイバー防衛隊」が保持する。

 サイバー攻撃について政府は、武力行使の三要件を満たすなら自衛権が発動され、ウイルスによる反撃ができるとの立場だ。防衛省関係者も「あくまで有事の際に使うもの」と強調。サイバー攻撃を未然に防ぐための「先制攻撃」としての使用は想定せず、専守防衛の範囲内と説明する。

 

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