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【政治】

幼保無償化 急造、現場目線欠く 待機児童、質確保が課題

<解説> 十日に可決・成立した幼児教育・保育を無償化する改正子ども・子育て支援法は、子育て世代の負担軽減を図る趣旨は評価できるものの、急ごしらえで保護者ら子育てに関わる人たちの目線を欠いている。

 保育施設の数は需要に追い付いていない。待機児童は、昨年十月時点で約四万七千人いる。無償化で子どもを預けようとする人が増えれば、待機児童がさらに増す可能性がある。保護者団体は「無償化前に待機児童解消を」と訴えたが、政府の方針は変わらなかった。

 命に直結する保育の質の確保も、懸念が残る。国は保育士配置などの最低基準を設けている。この基準を満たさない認可外施設やベビーシッターの利用にも、法施行後五年間は猶予期間として補助金が出る。

 認可外施設は、施設ごとに保育の質に差がある。内閣府調査では、認可施設よりも死亡事故の発生率が高い傾向が出ている。施設の安全性をどうチェックするかなど、保育の質を担保するルールの多くは未整備のままだ。公費投入は慎重であるべきだった。

 幼保無償化は安倍晋三首相が二〇一七年衆院選の公約として唐突に打ち出した。今後は保護者や保育現場の声を聞きながら、制度を見直す必要がある。子どもに悪影響があってからでは遅い。 (大野暢子)

 

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