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【政治】

幼保無償化成立 保育士不足に拍車 懸念

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 十日に成立した幼児教育・保育を無償化する改正子ども・子育て支援法を巡っては、現場を支える保育士の処遇改善が十分進んでおらず、保育行政を担う自治体の負担が増すなど、多くの懸念が残されている。無償化がスタートする十月まで五カ月を切っており、準備が間に合わず混乱する可能性もある。 (大野暢子)

 「保育士や幼稚園教諭のなり手不足で、現場が疲弊すれば、無償化どころか幼保を受けられない子どもが出てしまう」

 十日の参院本会議で反対討論に立った立憲民主党の牧山弘恵氏は、こう主張した。

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 職員不足による保育所の閉園が各地で起きるなど、保育士数は需要に追いついていない。無償化で子どもを預けようとする人が増えれば、必要な職員も増え、人材の確保に一層苦しむ施設が増えると予想される。

 厚生労働省の調査によると、二〇一七年度の保育士の平均年間給与は三百四十二万円。全職種平均の四百九十一万円より、百五十万円近く低かった。牧山氏は「日々担う重責に対し、給料が安すぎる」と訴えた。

 自治体も準備に大わらわだ。認可外保育施設やベビーシッターは、これまで市町村の管轄外だったが、無償化で補助金の対象に含まれた。市町村は十月までに、支給する世帯を認定し、給付に関する作業を終えなければならない。

 昨年四月時点の待機児童数が、前年比百十人増と東京都内で最も増えた国分寺市の担当者は「無償化で待機児童が増えるのではないか」と懸念。無償化に必要なシステム改修も、同法成立を待っていたため、十月までに終わらない恐れがあるという。

 待機児童が都内最多で、認可外施設の利用者が多い世田谷区も、子育て中の人への制度の周知を急いでいる。担当者は「周知期間が短いので大変だ。無償化する以上、区民が利用する認可外施設の質をチェックする仕組みもつくらなければいけない」と話した。

 

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