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【政治】

「改憲」雄弁な党内会合 寡黙な街頭演説 「20年施行」首相発言たどる

 安倍晋三首相(自民党総裁)は自ら掲げた二〇二〇年の新憲法施行について、三日に改憲派の集会に寄せたビデオメッセージで「気持ちに変わりはない」と明言した。二年前に二〇年施行を掲げてからの首相の発言を点検すると、改憲派や党内の会合などでは改憲意欲を強く打ち出し、国民に向けた場では控えめな傾向が分かる。改憲の理由にも変化がみられる。 (清水俊介)

 首相が二〇年施行を最初に掲げたのは一七年五月。今年五月三日と同じ改憲派団体の集会へのビデオメッセージだった。「多くの憲法学者や政党の中には、自衛隊を違憲とする議論が今なお存在している」と指摘。九条に自衛隊を明記する改憲案を示し「国民的な議論に値する」と語った。

 その年の九月に首相は衆院解散に踏み切った。解散理由を国民に説明する記者会見で、首相が「信を問う」対象に挙げたのは、消費税増税分の使い道の変更と、弾道ミサイル発射を繰り返していた北朝鮮への圧力強化だった。改憲は訴えなかった。

 衆院選の自民党公約は、六つの柱の一つに改憲を掲げた。ところが首相は不特定多数の有権者を前にした街頭演説で、改憲にほとんど触れていない。選挙後の記者会見で首相は「限られた時間の中、街頭で述べることは、地域の生活に密着した政策だ」と改憲を強く訴えなかった理由を説明した。

 衆院選後、首相は再び党会合などで意欲を強調。一八年一月の通常国会召集日に、自民党会合で「いよいよ(改憲を)実現する時」と語り、同九月の党総裁選では、改憲条文案を同年秋の臨時国会に提出する構えも見せた。今年二月の自民党大会でも「憲法に自衛隊と明記し、違憲論争に終止符を打とう」と訴えた。

 ただ、党大会で改憲を目指す理由として挙げたのは、二年前に示した憲法学者による違憲論ではなく「自衛隊の新規隊員募集に都道府県の六割以上が協力を拒否している」ことだった。これには党内からも異論が続出。首相側近の下村博文・党憲法改正推進本部長は、自衛官募集と改憲は「必ずしも直結する話ではない」と釈明に追われた。

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