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【政治】

白血病新薬「キムリア」3349万円 保険適用 医療財政に懸念も

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 中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は十五日、一部の白血病などの血液がんを治療する新薬「キムリア」の保険適用を了承した。投与は一回だけで済み、価格は三千三百四十九万円。一回当たりの薬の価格としては最高額となる。二十二日から保険が使える。

 患者から採取した免疫細胞の遺伝子を改変してがんへの攻撃力を高める「CAR−T細胞療法」と呼ばれる国内初の治療法。既存の治療法が効かない患者にも効果が高いとされる。保険適用で治療費の大部分がカバーされる一方で、医療財政への影響を懸念する声も上がりそうだ。キムリアは米国では五千万円超の費用がかかり、価格が注目されていた。

 治療費の窓口負担は通常一〜三割だが、月ごとの自己負担に上限を設ける「高額療養費制度」があるため、年収約三百七十万〜約七百七十万円の患者の場合、自己負担は約四十一万円。厚労省は治療対象者はピーク時で年間二百十六人、販売額は年間七十二億円規模と予測している。

 治療対象は、血液がんの「B細胞性急性リンパ芽球性白血病」の子どもや若者(二十五歳以下)と「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」の患者で、抗がん剤が効かなかった人などに限定。高熱や血圧低下など重篤な副作用が起きる可能性があり、治療は細胞の採取ができ、副作用に対応できる病院のみとするため当初は数カ所にとどまる見通しだ。

 日本人も参加した治験では、白血病で約八割、リンパ腫で約五割の患者が大幅に症状が改善した。

 製薬大手ノバルティスファーマ(東京)が製造販売する。高額な価格が認められたのは、患者本人の細胞を凍結保存し、米国に輸送して加工することや、大量生産できないことなどが理由だ。

<CAR−T(カーティー)細胞療法> 一部の白血病や悪性リンパ腫といった血液がんの患者への新たな治療薬。患者の血液から取り出した免疫細胞の一種の「T細胞」に、がん細胞を見つける役割の「キメラ抗原受容体」(CAR)と呼ばれる遺伝子を組み込み、がん細胞への攻撃力を高めてから点滴で体内に戻す。抗がん剤など従来の治療が効かない患者にも効果があり、治療は1回で済む。闘病に専念している競泳女子の池江璃花子(いけえ・りかこ)選手は白血病の種類を明らかにしていない。

 

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