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【政治】

「老後2000万円」報告書 野党追及 年金目減り記述削除

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 安倍晋三首相は十日、参院決算委員会で、九十五歳まで生きるには夫婦で二千万円の蓄えが必要と試算した金融庁の審議会の報告書について「不正確であり、誤解を与えるものだった」と釈明した。野党は、当初案にあった年金給付水準の目減りなどに関する記述が報告書から削除されたことなども指摘。「国民を欺いている」(立憲民主党の蓮舫参院幹事長)と批判した。 (後藤孝好)

 報告書は金融庁の金融審議会が今月三日に公表。平均的な無職の高齢夫婦世帯で月五万円の赤字が見込まれ、三十年間で二千万円が不足するとした。自公政権は二〇〇四年の年金制度改革で、制度が「百年安心」との看板を掲げてきた。だが老後には公的年金以外に多額の自己資金が必要なことが明確に示されたことで、不安が広がっている。

 蓮舫氏は決算委で「国民は『百年安心』がうそだったと憤っている」と批判。麻生太郎副総理兼金融担当相が報告書について「冒頭の一部、目を通した。全体を読んでいるわけではない」と明かした点も「問題だ」と指摘した。

 首相は、公的年金の積立金運用益が六年間で四十四兆円となったことを強調。本年度の年金給付が、物価の伸びよりも年金給付の伸びを抑える「マクロ経済スライド」を適用した上でも「0・1%の増額改定となった」と反論した。麻生氏は報告書に関して「二千万円の赤字であるかのように表現した点は、国民に誤解や不安を与える不適切な表現だった」と繰り返した。

 蓮舫氏は、先月二十二日に審議会がまとめた報告書案の段階では、年金給付水準について「中長期的に実質的な低下が見込まれている」と明記されていたことも追及した。今月三日の報告書で削除した理由について、金融庁の担当者は「より客観的な表現に改めたものを提出した」と説明した。

 蓮舫氏は、年金制度の健全性を五年に一度チェックする財政検証についても「早く出さないと国会で審議できない。まさか参院選後ということはないか」と確認を求めた。首相は「厚生労働省でしっかりと作業が進められている」と、公表時期を明言しなかった。

 

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