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【政治】

「老後2000万円」試算 金融庁報告書 事実上の撤回 麻生氏「受け取らない」

記者会見する麻生金融相=11日午前、財務省で

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 麻生太郎副総理兼金融担当相は十一日、公的年金以外に夫婦で老後に二千万円の蓄えが必要と試算した金融庁の金融審議会の報告書を受け取らない考えを表明した。報告書を事実上、撤回した。自民党が夏の参院選への悪影響を回避するために金融庁に撤回を求めた。政府の審議会が公表した報告書の撤回は異例だ。 (渥美龍太、新開浩)

 麻生氏は閣議後の記者会見で、報告書について「政府の政策スタンスとは違うので、正式な報告書としては受け取らない」と語った。金融審議会は首相、金融担当相らの諮問機関。担当相が審議会の報告書を受け取らなければ、報告書は宙に浮くことになる。

 麻生氏は報告書の位置付けについて「まだ金融審議会の総会を通っていない」と述べ、公式な文書ではないと説明。「(老後の)生活費として不足、赤字だという表現を使ったのは、極めて不適切。不安と誤解を与えた」と強調した。

 これに先立ち、自民党の林幹雄幹事長代理は金融庁の三井秀範企画市場局長を党本部に呼び、報告書の撤回を求めた。二階俊博幹事長は撤回要求の理由について「参院選を控えており、候補者に迷惑を掛けないようにしないといけない」と党本部で記者団に語った。

 公明党の山口那津男代表も記者会見で、金融庁の姿勢に関し「いきなり誤解を招くものを出してきた。猛省を促したい」と述べた。

 これに対し、立憲民主党の辻元清美国対委員長は、報告書について「参院選の最大の争点になる。世論調査で一番関心が高いのは社会保障だ。将来不安を政治がどう解決するのか」と国会内で記者団に語った。

 報告書は金融審議会が今月三日に公表した。平均的な無職の高齢夫婦世帯で月五万円の赤字が見込まれ、二十年間で約一千三百万円、三十年間で約二千万円が不足するとした。自公政権は二〇〇四年の年金制度改革で「百年安心」との看板を掲げていた。

 

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