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【政治】

「老後赤字」根拠は厚労省 金融審に資料4月提示

 高齢夫婦の老後資金に関する金融庁金融審議会の報告書に批判が集まっている問題で、報告書に盛り込まれた「月に五万円の赤字となり、三十年で二千万円が必要」とする試算の根拠が、厚生労働省が示した資料だったことが十三日、分かった。同じ資料は二月に厚労省の会合で既に提示されており、金融審はこの試算を踏襲した。麻生太郎金融担当相は「今までの政府の政策スタンスと違う」として報告書の受け取りを拒んだが、説明との食い違いが浮き彫りになった。

 厚労省年金局の吉田一生企業年金・個人年金課長は十三日、国会内で開かれた野党ヒアリングで「厚労省がよく使っている資料だ。総務省の家計調査でオープンになっており、よく知られている収支の差だ」と述べた。

 厚労省は四月十二日に開かれた金融審の市場ワーキング・グループ(WG)の会合にこの資料を提出。議事録によると、出席した吉田課長は無職の高齢夫婦世帯の「実収入二十万九千百九十八円と家計支出二十六万三千七百十八円との差は月五万五千円程度となっている」と説明した。

 公的年金の給付見通しに関し「中長期的な水準の調整が見込まれているのはご案内の通り。老後の所得確保における私的年金の重要性が増す」と述べ、自助による資産形成が必要と強調した。

 厚労省の説明には「赤字」の文言は使われていなかったが、強いメッセージ性を重視するべきだとのWGの議論を通じ、報告書に盛り込まれた。報告書は公的年金だけでは月五万円の赤字となり、三十年生きるには約二千万円の蓄えが必要と指摘した。

<金融審議会> 金融庁設置法に基づいて設立された諮問機関。政府が金融制度に関する重要な政策を立案・決定する際に、首相や金融担当相らから諮問を受け、専門家の見地から答申する。夫婦で2000万円の蓄えが必要だと試算した「老後報告書」は、麻生太郎金融担当相の諮問を受けて、安定的な資産形成などを議論する下部組織の「市場ワーキング・グループ」が作成した。

 

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