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【政治】

タンカー攻撃 米に証拠提示要求 日本「イラン関与」同調せず

13日、「国華産業」が運航するタンカーにイラン革命防衛隊の小型船が接近し不発の爆発物を取り除く様子として、米軍が公表した映像=米軍提供(ロイター・共同)

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 政府がホルムズ海峡付近で起きたタンカー攻撃を巡り、イランが関与したとする米国の説明に同調せず、裏付けとなる証拠を示すよう米側に求めていることが分かった。米側の主張は説得力に欠いているとの受け止めが背景にある。複数の日本政府筋が十五日、明らかにした。今月下旬の大阪での二十カ国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせて行う日米首脳会談の際、タンカー攻撃を含むイラン対応が主要議題になるのは確実だ。

 日本の海運会社が運航するタンカーへの攻撃に関し、政府は攻撃主体の特定につながる有力情報を現時点でつかんでいない。イラン関与説の信ぴょう性については「米側の説明を聞く限り、推測の域を出ていない」(政府高官)との見方が根強い。イランへの態度を一段と硬化させたトランプ政権が、米イラン対立の仲裁に動いた日本の求めに応じるか否かが当面の焦点になる。

 関係者によると、日本政府はポンペオ米国務長官が「イランに責任がある」と断じた米国時間の十三日以降、複数の外交ルートを通じて「裏付けとなる根拠を示してもらわないと、日本として断定できない」と伝達。日本や国際社会が納得できる証拠を提示するよう強く求めた。

 同時に、首相とイラン最高指導者ハメネイ師の会談とほぼ同じ時間帯に攻撃されたことを重視していると強調。「米国とイランの仲介に乗り出した首相のメンツは著しく傷つけられた。重大事案であり、事実認定の誤りは許されない」(官邸関係者)との立場を伝えたという。

 河野太郎外相も十四日の日米外相電話会談で、ポンペオ氏に「イラン関与」を裏付ける証拠の開示を促したとみられる。

 米政府は、イランが関与したと断じる理由について(1)今回の攻撃は高度な技術、精度に支えられている(2)周辺地域でそれだけの力量を持った勢力は、イラン以外に考えられない−と説明。

 これに対し、菅義偉(すがよしひで)官房長官は十四日の記者会見で「予断を持って発言することは控えたい」と述べ、米国の主張と一線を画す考えを示唆していた。

<タンカー攻撃> イラン沖のホルムズ海峡付近で13日、日本の海運会社などが運航するタンカー2隻が何者かによって攻撃された。乗組員に日本人はおらず、死者も出なかった。米国はイラン革命防衛隊が船体に吸着された不発の爆発物を取り除く様子だとする白黒の粗い映像を公開。イランを名指しで非難し、英国も同調した。イラン側は関与を否定した。中東情勢を巡る緊張が一段と高まっている。日本政府は攻撃主体についての言及を避け、関係国に自制を呼び掛けている。

 

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